新型コロナウイルス禍でロシアがフェイクニュースを拡散する?米軍が監視
Military Tracking Russia News Outlets for Coronavirus Disinformation
この文書についてコメントを求めたところ、スプートニクはコメントを拒否し「国防総省によろしく伝えて欲しい」とのみ返答。ズベズダからは返答がなかった。RTは「我々はアメリカのあらゆるオーディエンスを受け入れ、彼らが当社のプラットフォーム上にあるコンテンツを楽しんでくれることを願っている。だが米軍のリソースは、こんな調査よりコロナウイルス対策に使った方が有益だと思わずにはいられない」という声明を寄せた。
新型コロナウイルスは中国・湖北省の武漢を中心に発生し、ロシアを含む28カ国・地域に感染が拡大。これまでに3万1000人以上が感染し、死亡者は600人を突破した。この大半は中国本土に集中しており、ウイルスの封じ込めを狙って湖北省では複数の都市が事実上の封鎖状態にある。
今回米軍が追跡したロシア政府系アカウントでも、やり取りされた情報の大半が新型コロナウイルスに関するものだった。監視対象のアカウントが1月28日から2月3日の調査対象期間中に同ウイルスの感染拡大に言及した回数は567回。「コロナウイルス中国」というハッシュタグは91回使用された。そのほかに多く使われたハッシュタグは「ブレグジット(151回)」、「ロシア(116回)」、「トランプ(70回)」と「中国(70回)」だった。
WHOはパニック防止に専門チーム
最も頻出したキーフレーズも「コロナウイルス」で、同期間中に528回使われていた。2番目に多かったのが「トランプ」の222回、3番目が「ブレグジット」の135回だった。ほかにもコロナウイルス関連のキーフレーズが多く使われており、「コロナウイルスの感染拡大」は119回、「武漢」は110回、「コロナウイルス中国」は87回使われた。
感染への懸念が広がるなか、WHOの感染症専門家シルビー・ブリアン博士は、パニックを防ぐために、WHOとして正確な情報が提供されるように取り組んでいると語った。これはWHOのリスク・コミュニケーションおよびソーシャルメディア部門が担当しており、彼らがネット上の「誤った通説や噂」を追跡して対処しているという。
米軍の文書には、追跡対象のアカウントで最も反響が大きかったツイートのトップ10も列挙されており、やはりその多くがコロナウイルスの感染拡大に関するものだ。
1位は「コロナウイルスの感染拡大を受けてロシアが極東地域と中国の国境を閉鎖」という記事で、インタラクション(「いいね!」やリツイートなどの数)は1万7500件にのぼった。2位は「ロシア国内で初めてコロナウイルスの感染者2人を確認。いずれも中国人」というタイトルで、インタラクション数は6500件だった。