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革新系・文在寅でもLGBTには冷淡? 韓国、トランスジェンダー軍人と学生の訴えは......

2020年2月10日(月)18時40分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

陸軍「性器の欠損は心身障害に相当」

ビョン・ヒスさんは引き続き軍隊で女性軍人として服務することを希望している。彼女の訴えでは、性転換手術をする際に上司である指揮官に「海外旅行許可」をもらっており、その旅行理由項目には「医療目的」と記されている。口頭ではもしかすると軍に復帰できないかもしれないと言われていたことは認めつつも、公文書で通知されたわけではなく、書類上で許可を出したのだから、これは韓国陸軍が性転換を認めたことととらえるべきだと主張している。

一方、これを受け韓国陸軍側は、退役の理由は「睾丸及び陰茎の欠損は、現役軍人の選抜基準である"疾病及び心身障害の程度及び評価基準"と関連法令によって心身障害に相当すると判断されたから」とし、渡航許可を出したのは「指揮官が部下の意見を尊重しただけで、性転換手術ではなく休暇中の海外旅行を承認しただけである」と、両者の主張は真っ向から対立している。

現在、ビョン・ヒスさんはこの問題に終止符を打つため、裁判に持ち込む準備をしているという。今月4日、軍権利センターは「強制退役処分の取りやめを訴える訴訟を準備中だ。共に戦ってくれる弁護団を公開募集する」と発表した。

「この事件は、トランスジェンダーやその他性少数者が、今後軍人として復帰できるか否かを決める歴史的な事件となるだろう」とし、「法的事例を作っていくことが何よりも大事だ」と語っている。すでに、韓国では大きく報道され、市民からの多くの支持の声や裁判資金の募金が軍権利センターへ集まっている。

10日には清州地方裁判所がビョン・ヒスさんの申請を受け、法的性別を「女性と訂正する」ことを決定した。この決定を受けて彼女は女性として女性軍への入隊を申請するものと予想され、陸軍側の対応が注目される。

トランスジェンダーが女子大入学を希望

もう一人、「韓国のトランスジェンダーが誕生する」として話題を集めているケースがある。2020年春に淑明女子大へ入学予定のAさんは、韓国初のトランスジェンダーとして女子大に入学する。Aさんは昨年性適合手術を受け、大学入試を控えた10月、様々な規定をクリアし裁判所で正式に性別訂正を認められた「女性」だ。しかし、いざ合格発表が終わりAさんについて報道され始めると、在学生やその親たち、また卒業生の一部から反対意見が出るようになった。

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