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感染症対策厚労省告発した岩田神戸大教授が会見「下船者2週間の隔離が望ましい、動画削除は船内状況が改善したため」
クルーズ船ダイヤモンド・プリンセスの船内のずさんな感染症対策を動画投稿サイトで告発した感染症専門医の岩田健太郎・神戸大教授は、都内の外国特派員協会でテレビ電話形式で会見し、クルーズ船内の感染拡大を踏まえ「下船者は2週間の隔離が望ましい」と強調した。写真は同クルーズ船。横浜で16日撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)
クルーズ船ダイヤモンド・プリンセスの船内のずさんな感染症対策を動画投稿サイトで告発した感染症専門医の岩田健太郎・神戸大教授は20日、都内の外国特派員協会でテレビ電話形式で会見し、クルーズ船内の感染拡大を踏まえ「下船者は2週間の隔離が望ましい」と強調した。岩田教授が懸念を示した船内環境は改善がみられたため、告発動画は削除したと説明した。
岩田教授は動画の中で、クルーズ船内では感染の恐れがあるエリアと安全なエリアの区分けが不明瞭な上、安全とされるエリアでウイルスがついている可能性のある防護服が着用されていると懸念を示していた。
岩田教授は20日の会見で、動画を削除した理由を「船内の区分けに関して著しい改善がみられ、船内感染者の多くが2月5日の船内隔離開始前に感染した公算が大きいとの報告書を国立感染症研究所が出した」と説明した。
その上で「政府による船内隔離の判断を批判はしないが、船内隔離するならば厳重な感染管理が必要で、新たな感染者が発見した時点から2週間の隔離が必要」と指摘した。
岩田教授は新型コロナウイルスに対する日本政府の対応に関し、クルーズ船以外は適切と評価。海外などから批判が出ているダイヤモンド・プリンセスの船内隔離に関しても、「下船させれば都市部での感染が広がるリスクがある。船内隔離とどちらが良いとは一概に言えない」と指摘した。
岩田氏は自らの動画掲載について「日本の社会は伝統的に告発者を嫌うが自分は告発者であったかもしれない」と述べ、船内対応の改善や感染症研究所の報告書公表に影響した可能性があると指摘した。動画の削除にあたり政府などからの圧力はなかったと強調した。
クルーズ船乗客で2人の死亡が確認されたとの報道に関し、「乗客は高齢者が多いため想定されたことで、驚きはない」と述べた。
感染症への対応には「科学的な論拠に基づいた判断が重要」と繰り返し強調。「新型コロナウイルスの咳による空気感染は起きない」とも述べ、感染拡大防止には過剰反応は不要との見解を示した。また感染者への差別が生じないようプライバシー保護の重要性も強調した。
記者会見は大部分英語で行われた。
*内容を追加して再送します。
(竹本能文※)
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