中東和平案、トランプの本音は何か
What Does Donald Trump's Middle East Peace Plan Say
28日の発表にはパレスチナ側の高官は欠席した。パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長、モハマド・シュタイエ首相、および中東和平交渉の交渉責任者サイブ・エレカトは、イスラエルに有利すぎる和平案を真っ先に否定した。そもそも、アメリカが2017年12月にエルサレムをイスラエルの首都として承認して以来、パレスチナはトランプ政権が交渉再開の仲介役を務めることを拒んでいる。アメリカの動きは、エルサレムをイスラエルとパレスチナが帰属を争う紛争地とみなす国際的な合意に逆らうものだ。
アッバスは和平案発表後、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するスンニ派イスラム原理主義組織ハマスの指導者イスマイル・ハニヤと電話で話をした。ハマスやアメリカがテロ組織とみなすグループの武装解除を要求するトランプの和平案に反対するため、ハニヤはパレスチナ人が政治的対立を乗り越えて団結する姿勢を示すことを求めた。
トランプの和平案に対する抗議活動は、すぐにパレスチナ全土に広がった。米国務省は政府職員の渡航を制限し、米国民に安全対策を講じるよう求めた。
国務省は「アメリカ国民は、群衆が集まる場所や、警察や軍隊の姿が目に付く場所を避けてください。渡航先を検討する際、米国民はイスラエル、西岸地区、ガザへの渡航に関する国務省の警告を考慮することをお勧めします」と呼び掛けている。
イスラエル側は大歓迎
トランプは27日、ネタニヤフだけでなく、次の選挙でネタニヤフの政敵となるベニー・ガンツ元イスラエル軍参謀総長とも立て続けに会談を行い、和平のロードマップについて説明した。両者ともにトランプ政権の和平案を支持しており、ネタニヤフは、イスラエルによる東エルサレム併合およびシリアのゴラン高原の承認など、トランプ政権のこれまでのイスラエル寄りの外交の実績を称賛した。
「あなたはこれまでの大統領のなかで、イスラエルにとって最高の友だ」と、ネタニヤフはトランプについて語った。「歴代大統領のなかにはすばらしい友人もいたが、あなたにはまったく及ばない」