トランプ弾劾裁判、これからどう進むのか
What to Expect of Opening Arguments?
首席検察官役のアダム・シフ議員が上院で冒頭陳述(1月22日、米上院) REUTERS/U.S. Senate TV
<冒頭陳述は検事役の弾劾管理人とトランプ弁護側それぞれが3日間にわたって計24時間行う。その後は、上院議員からの質問タイムだ>
米上院で審理が始まったドナルド・トランプ米大統領の弾劾裁判は3日目に入り、米東部時間の22日(日本時間23日)、まず検事役を務める弾劾管理人(下院民主党が選出)が冒頭陳述を開始した。
弾劾管理人は、トランプ訴追の理由である弾劾条項2項目を述べる。権力乱用と議会妨害だ。陪審員役の上院議員はまる1日、弾劾管理人の陳述を聞くことになる。
審理初日(東部時間の21日)には、上院共和党が提示した裁判の運営規則案をめぐり、民主党共和党が延々と攻防を展開。最終的に証人招致については結論を先送りにしたまま、規則案が可決された。それにより、冒頭陳述は弾劾管理人・弁護側それぞれが3日間にわたって合計24時間行うことになった。弁護側が陳述を開始するのは、週末以降になりそうだ。弾劾管理人は1日8時間ずつ陳述を行い、割り当てられた時間を使い切る意向で、午後1時開始、午後9時終了を予定しているが、休憩を挟めば終了時刻はずれ込む。
ゼレンスキーは圧力を否定
政治ニュース専門ケーブル局C-SPAN2が審理の模様をテレビでライブ中継し、ラジオでも流すほかオンラインでも配信する。公共放送PBSもYouTubeでライブ配信する。
アメリカ史上弾劾訴追された大統領は、アンドリュー・ジョンソン、ビル・クリントンに次いで、トランプで3人目。トランプの弾劾条項2項目は昨年12月に下院で可決された。民主党議員はほぼ全員が賛成、共和党議員は造反者ゼロで全員が反対した。
弾劾の核心は、トランプが今年の大統領選で勝利するため、不公正なやり方でウクライナの助けを求めたかどうかだ。トランプはウクライナへの軍事援助と同国のウォロディミル・ゼレンスキー大統領との会談を棚上げにして、ジョー・バイデン前副大統領とその息子で、ウクライナの天然ガス会社ブリスマの役員を務めていたハンター・バイデンに関する捜査開始を発表するようウクライナに迫ったと、民主党は主張している。
トランプはまた、文書の提出を拒否し、上級顧問や政権スタッフに証言を拒むよう指示したとして、議会妨害の罪にも問われている。
トランプは不公正な行為は一切行っていないと主張。ゼレンスキーとの「完全無欠の」電話協議の記録を読むよう、国民に呼びかけている。ゼレンスキーはハンター・バイデンの捜査を行うようトランプに圧力をかけられたことはないと主張。トランプも圧力をかけていないと言い、汚職捜査を命じるのは大統領の務めだとして、弾劾訴追の動きを自身の失脚を狙った民主党の「魔女狩り」だと決めつけた。
<参考記事>今週開始!トランプ弾劾裁判はどこで見られる?
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