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日産

ゴーン追放で日産が払った大きな代償

Ghosn’s Escape from Japan is Now Legendary

2020年1月9日(木)18時05分
ビル・パウエル(本誌シニアライター)

ゴーンに近い筋によれば、2018年までに日産の幹部らは日本の経済産業省に行き、ゴーン抜きでも日産の経営はできると直訴した。そこで政府と日産は示し合わせ、ゴーンが役員報酬を過少申告したという話をもとに、詐欺容疑で逮捕されるよう画策したのだという。

ゴーンは当初から容疑を否認。日産と日本の検察は十分な証拠があるとして、裁判になればゴーンは有罪になるはずと見ていた。そんな彼らの目の前で、ゴーンは昨年の12月29日、日本を脱出した。日本政府は大恥をかかされた。

ゴーン逮捕後、日産は2019年最初の3四半期で営業利益が91%減り、1万2000人超の人員削減を発表した。株価は前年比で30%超下落。ゴーンが「クーデター」の張本人と見なす西川廣人は昨年9月に社長兼CEOを退任した。

日産の守旧派はバックミラーに映る外国人を尻目に走り去ろうとしたが、その代償はきわめて高かった。

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