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中東米連邦航空局、民間航空会社にイラク・イラン上空などの運航禁止を通達
米連邦航空局(FAA)は7日、米国の民間航空機に対してイラク、イラン、オマーン湾およびペルシャ湾上空の運航を禁止すると発表した。写真はニュージャージー州の空港で2015年7月撮影(2020年 ロイター/Eduardo Munoz)
米連邦航空局(FAA)は7日、米国の民間航空機に対してイラク、イラン、オマーン湾およびペルシャ湾上空の運航を禁止すると発表した。イランがイラクの米軍駐留基地をミサイルで攻撃したことを受けた措置。
イランは現地時間8日未明、米軍が駐留するイラクのアル・アサド空軍基地に複数のロケット弾を発射した。
FAAは運航禁止措置について「中東で軍事活動が激化し、政治的な緊張が高まっており、民間航空機が想定外に巻き込まれるリスクが生じている」と説明した。
フライトレーダー24のデータによると、イランによるミサイル攻撃時に複数の非米系航空機がイラクとイランの空域を飛行していた。
米国以外の航空機はFAAの措置に直接影響を受けることはないものの、各国の航空会社や政府当局者は通常、FAAの方針を慎重に検討して空路を決めている。
FAAは昨年既に、イランが米軍の無人偵察機を撃墜したことを受け、米航空会社にイラン領空のうちホルムズ海峡およびオマーン湾の上空の飛行を禁止していた。
大韓航空とタイ国際航空は、イランによるミサイル発射の前からイランとイラクの上空を避けていたと表明。
カナダ運輸省は、中東情勢を巡りFAAと緊密に連絡を取り合っているとしたほか、エア・カナダがルート変更を行っていると明らかにした。
インドの航空規制当局は航空会社に正式な指示は出していないが、当事者企業と会合を開き、引き続き警戒するよう助言した。当局者が明らかにした。
シンガポール航空はイランによるミサイル発射後、同社のすべての航空機がイラン上空を避けて運航すると明らかにした。
マレーシア航空はイラク上空を通過する便は運航していないが、イラン空域を通過する便についてはルート変更を行う方針を示した。台湾のチャイナエアラインはイランとイラクの上空飛行は自粛するとした。
豪カンタス航空は、当面イラクとイランの上空を避けるためにルートを調整すると表明。パース─ロンドン間のフライトで最大50分余計にかかるという。
ドバイに拠点を置くエミレーツ航空とフライドバイは8日、イランのミサイル攻撃を受け、バグダッド行きの帰路のフライトを欠航とした。必要があればさらに運航の変更を行うという。
カタール航空はイラク行きの便は通常通り運航しているとした。
国際航空運送協会(IATA)は7日、イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官が米軍のドローン空爆によって殺害され、中東の緊張が高まったのを受け、航空会社間および国家間の「効果的な連携と対話」を支援するための国際航空チームを立ち上げたと明らかにしていた。
*内容を追加しました。
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