最低賃金が上がれば自殺率が下がる──26年間のデータを元にした米調査
2020年1月27日(月)17時00分
この数字を調査対象となった全期間1990〜2015年の26年間で見ると、最低賃金がもし1ドル上がっていたら2万7550人、2ドル上がっていたら5万7350人の自殺が防げたと見られている。
コーフマン氏はロイター通信に対し、最低賃金を定める法律が「富と健康」の関係に介入することで、うつ病や自殺のリスクが高い、低賃金で働いている人やその扶養家族の生活の質を改善できる可能性があると説明した。
またロイター通信によると、米ノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究員アレックス・ガートナー氏(今回の調査には不参加)は、失業率が高い時ほど雇用主は賃金を下げやすくなるため、従業員にとって金銭的なストレスがかかると説明。不況の際にも賃金を維持できるようにする最低賃金法の重要性を指摘した。
CNNによると、2017年には米国で140万人の成人が自殺未遂をし、自殺関連の死亡者数は4万7173人に達した。同年に自殺未遂をしたのは、フルタイムで働いている人の0.4%、パートタイムの0.7%だった一方で、失業者の場合はこの割合が1.7%だった。
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