最新記事

産休

小泉環境相、賛否ある中「育休」2週間取得へ 「男性が取得しやすい環境へつなげる」

2020年1月15日(水)14時52分

小泉進次郎環境相(写真)は、育児休暇を取る意向を表明した。1月に第一子誕生が予定されており、出生後3カ月の間に合計2週間、休暇を取得するという。写真は都内で昨年9月撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

小泉進次郎環境相は15日、育児休暇を取る意向を表明した。1月に第一子誕生が予定されており、出生後3カ月の間に合計2週間、休暇を取得するという。

同省内の業務見直しや働き方改革に向けた会議の冒頭で小泉氏は「私自身、育休について、環境大臣という重要な立場でどのような形で取得するのか、正直言ってとても悩んだ」と心境を明らかにした。そのうえで、公務に支障が出ないことを条件に、育児のための時間を確保すると表明。これにより男性が育休を取りやすい環境につながることを期待すると述べた。

この決断について菅義偉官房長官は午前の会見で、「育休取得には職場の風土、社会機運の醸成が大事。環境相の取り組みが男女問わず、育児休暇取得推進につながることを期待する」と応じた。

小泉氏は昨年8月にフリーアナウンサーの滝川クリステルさんと結婚し、育児のための休暇取得を検討すると表明していた。国会議員には一般企業のような「育児休業制度」はなく、欠席届を提出して休みを取得することになる。

岩井奉信・日本大学教授(政治学)は、欧州などでも議員や首相でも育児のために休みを取ることは一般的に認められているとしたうえで、「働き方改革が言われているなかで、小泉氏自身が育休を取ることで、問題を提起するという意味合いがある」と指摘。「まだ男性は育休を取りにくい現実があり、一石を投じる意味は大きい」と評価した。

厚生労働省の2018年度調査によると、男性の育児休業取得率は6.16%にとどまり、政府の2020年度の目標13%にはまだ遠い。また取得日数に関する調査(2015年)では、育児休業を取得した男性の56.9%が「5日未満」にとどまっている。

[東京 15日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200121issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年1月21日号(1月15日発売)は「米イラン危機:戦争は起きるのか」特集。ソレイマニ司令官殺害で極限まで高まった米・イランの緊張。武力衝突に拡大する可能性はあるのか? 次の展開を読む。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏「習主席から電話」、関税で米中協議中と米

ワールド

ウクライナ和平案、米と欧州に溝 領土や「安全の保証

ビジネス

トヨタ創業家が豊田織に買収・非公開化を提案=BBG

ビジネス

円建てシフト継続、市場急変には柔軟対応=朝日生命・
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは?【最新研究】
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    日本の10代女子の多くが「子どもは欲しくない」と考…
  • 5
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 6
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 7
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 8
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 9
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 10
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 10
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中