年金改革反対のゼネスト続くフランスで、「階級戦争」ボードゲームが大ヒット
Class Warfare, Inequality Board Game 'Kapital!' Sells Out Ahead of Christmas
「最初にゴールするだけではダメで、社会資本、文化資本、象徴資本と同様にカネも持っていなければ富裕層にはなれない。しかし現実社会と同様、トップの『支配的』プレイヤーが勝つ可能性が最も高い」と、パンソン=シャルロは語っている。
パンソン=シャルロは、階級闘争やブルジョワジー、そして貧困層を搾取する富裕層などに関する著書があり、自分のフェイスブックページでは『ブルジョワジーに対する我々の怒り』『富裕層の暴力』といったタイトルを紹介している。
ニュース取材に応じた販売店の店員は、内容の深刻さにもかかわらずゲームがヒットしたことには驚いていなかった。「人々は独創的な考えを求めていて、このゲームは実際に独創的だ。だから売り切れたのだろう。1日に10件くらい問い合わせの電話がある」
パンソン=シャルロ夫妻はメディア取材に対して、ゲームはフランスの社会経済構造と階級闘争をベースにしているが、「経済格差」「階級戦争」といったこのゲームのメッセージは世界の多くの国々で共感を得られると信じている、と語っている。
2019年12月31日/2020年1月7日号(12月24日発売)は「ISSUES 2020」特集。米大統領選トランプ再選の可能性、「見えない」日本外交の処方箋、中国・インド経済の急成長の終焉など、12の論点から無秩序化する世界を読み解く年末の大合併号です。