米主導の対北朝鮮圧力は崩壊へ? 中ロが制裁緩和でタッグ
北朝鮮が超えてはいけない一線
「ロシアは総じて、北朝鮮と一緒にやっていく上で圧力路線は間違った方法だと感じている」と話す。「北朝鮮が来年にかけて一段と挑発的な姿勢に出れば、中ロの北朝鮮に対する寛容さが厳しく試されることになるかもしれない」
北朝鮮に対する経済的な影響力は、中国のほうがより大きい。韓国の貿易団体がさきごろ公表したリポートによると、北朝鮮の昨年の対外貿易全体に占める中国の比率は91.8%。2001年は17.3%だった。
中国からなだれ込む旅行者は、北朝鮮にとって極めて欠かせない経済の生命線だ。両国間の密貿易も増えているとの報告もある。
ソウルにあるジョージ・メイソン大学コリアのアンドレイ・アブラハミアン客員研究員は「北朝鮮が来年、強硬なアプローチを思案しようとしても、こうした影響力のため北朝鮮は手を休める可能性がある」と予想する。
「北朝鮮は伝統的に中国の影響力に強く抵抗はするが、中国が北朝鮮を罰するつもりはないことを分かっており、本物の不安定化をもたらすほどまでは抵抗しない」
ワシントンのシンクタンク、ディフェンス・プライオリティーズのフェロー、ダニエル・デペトリス氏は、中ロが一緒になって金正恩氏をしばらく抑制させるでのはないかと指摘する。
「中国とロシアのレッドライン(越えてはいけない一線)がどこにあるかは分からないが、北朝鮮がICBMを発射したり、核実験を行えば、今の姿勢を変えるのは間違いないだろう」と、デペトリス氏は言う。