文在寅の成績表:これといった成果なくレームダックが懸念だが...
レームダックを促しそうなスキャンダルもあった。「人事」だ(評価しない理由の2位)。これは2019年秋に勃発した前法相をめぐる「曺国(チョ・グク)事件」を見れば分かるだろう。
曺は文の側近中の側近で、大統領府の主要秘書官から満を持して法相に任命されたものの、娘の不正入学や不正投資疑惑などが発覚。「むいてもむいても疑惑だらけ」ということで「タマネギ男」と呼ばれようとは、文も予想できなかったのではないか。
文にとって当面の課題は2020年4月の総選挙で与党の「共に民主党」が勝利するかどうかだ。見てきたように、国政評価は決して高くない。それでも「特に理由はないが文政権を支持する」という、いわゆる「コンクリート支持層」の存在が、冒頭のような自信を呼び起こし、レームダックを恐れない文政権の精神的支えになっているようだ。
だが、コンクリートであるが故に、ひびが入ることは十分にあり得る。
<2019年12月24日号「首脳の成績表」特集より>
【参考記事】トランプの成績表:サイボーグ超えの破壊力で自国の評判を落としたが...
12月24日号(12月17日発売)は「首脳の成績表」特集。「ガキ大将」トランプは落第? 安倍外交の得点は? プーチン、文在寅、ボリス・ジョンソン、習近平は?――世界の首脳を査定し、その能力と資質から国際情勢を読み解く特集です。