最新記事

戦争

2020年は米軍を巻き込む危機が最も起きやすい年に

New Report Predicts 2020 Conflicts in Middle East, Pacific, U.S. and More

2019年12月20日(金)15時45分
トム・オコナー

そのほかでは、ウクライナとロシアの衝突懸念や中米発移民危機などが挙げられている。左派政権が台頭し、アメリカが長年介入してきたラテンアメリカ諸国はこの数か月、反政府デモや政権交代などで不安定化している。

アメリカにとって次に大きいのが、衝撃度は「中程度」だが発生リスクが「高い」シナリオだ。

その中にはラテンアメリカの2つの脅威も含まれている。一つは「メキシコにおける組織犯罪関連の暴力の激化」、もう一つは「ベネズエラにおける経済危機と政情不安の激化により、さらなる混乱や難民の流出増加が引き起こされること」だ。

中東とその周辺地域の脅威も、このカテゴリーに含まれている。イラン、トルコとクルド人勢力、シリア、アフガニスタンなどだ。

最大のライバルであるロシアと中国も

発生リスクは「低い」が衝撃が「大きい」カテゴリーには、アメリカとライバル超大国の対立が含まれる。

たとえば「東欧でのロシアの侵略行為が発端で、ロシアとNATO加盟国の間で軍事衝突が起こる可能性」や、「2020年の台湾総統選をきっかけとした米中危機」の可能性がある。

他にも、カシミールを巡る印パ戦争、パレスチナ紛争、イエメン内戦などリストは続く。

報告書が指摘するように、アメリカの一番のアメリカが世界各地で終わりのない軍事介入を続けている間に、ライバルのロシアと中国はその間隙を縫うように勢力を伸ばしている。2020年度の予防優先順位報告書にリストアップされた潜在的脅威が現実になる可能性はケースによって異なるが、それらの脅威がなくならないのはほぼ確実だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

24年ブラジル基礎的財政収支、GDP比0.36%の

ビジネス

ブラックストーン、10─12月手数料収入が過去最高

ビジネス

USスチール、第4四半期決算は減収・赤字 需要環境

ワールド

ロシア、ウクライナの集合住宅にドローン攻撃 9人死
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 5
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 6
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 7
    空港で「もう一人の自分」が目の前を歩いている? …
  • 8
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 9
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 10
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 7
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 10
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 5
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中