先進諸国のごみの受け入れを拒否する東南アジア
NO LONGER TOLERABLE
インドのムンバイや台湾、バヌアツなど、アジアの諸国・諸都市は使い捨てプラスチック製品の禁止に乗り出している。EUも5月、使い捨てプラスチック製品の使用削減などを義務付ける新法を採択し、使用を禁ずる品目を定め、製造元に廃棄と処理の費用負担を求めることにした。またオーストラリア政府も廃棄物処理の規制を強化している。
ある意味、こうした変化は中国が先進諸国からのプラごみ受け入れに「ノー」を突き付けたことの意図せざる結果だ。おかげで、プラごみに関してはリサイクルが解決策にならないという認識も広まった。なにしろ1950~2015年の間に地球上で生産された膨大な量のプラスチック製品のうち、リサイクルできたのはわずか9%にすぎないのだ。
つまり、プラごみの問題は排出源を絶たなければ解決できない。まずは使い捨てプラスチック製品の生産を減らし、そうした製品やその輸出で稼ぐ企業に責任を取らせることが必要だ。アジアを世界のごみ捨て場にすることは、もう許されない。
©2019 The Diplomat
<本誌2019年11月26日号掲載>
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