EU離脱「再々延期」で混迷イギリスは総選挙へ
選挙戦では、スコットランド民族党、自由民主党、緑の党といったEU残留強硬派や、ナイジェル・ファラージュ党首率いるブレグジット党のような離脱強硬派の動向も気になる。今のところ保守党は世論調査で大きくリードしているが、短期間で情勢が変わる可能性もある。
保守党が選挙戦で勝利を収めれば、ジョンソンの離脱案の議会通過が可能になり、いよいよ離脱プロセスの完了が視野に入ってくる。
予想に反して労働党が勝利すれば、おそらく離脱の動きが再び遅れることになりそうだ。問題点を整理するのに6カ月はかかると、コービンは言った。それも楽観的な見方に思えるが、いずれにせよ新しいアプローチの下で前進を模索することになる。
そして選挙がどちらの勝利か判然としない場合は、少し前の袋小路に逆戻りする。これが最もありそうなシナリオだろう。それを考えると、今から気が重い。
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<本誌2019年11月12日号掲載>
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