「見せしめ判決」でカタルーニャの怒り再燃、バルセロナの混乱は続く
バルセロナは抗議デモで大混乱に ALBERT GEA-REUTERS
<重過ぎる実刑判決への抗議で空港は大混乱、中心部ではデモ隊と武装警官が衝突している>
2017年にスペインからの独立の是非を問う住民投票を強行したカタルーニャ自治州。その実施と独立宣言に関与したとして、最高裁判所が10月14日、同州幹部ら9人に禁錮刑を言い渡すと、州都バルセロナでは大規模な抗議デモが巻き起こった。
独立派の市民らが押し寄せたエル・プラット空港は大混乱し、100便以上が欠航に。中心部の州庁舎では武装警官がデモ隊と衝突し、ゴム弾を発砲した。
禁錮13年の最も重い判決が下ったのはウリオル・ジュンケラス前州副首相。ほかの8人も、投票強行が扇動や公金乱用に当たるとして禁錮9~12年を言い渡された。いまだベルギーに逃亡中のプッチダモン前州首相には、新たに逮捕状が発行された。
スペイン中央政府のサンチェス首相は、すぐさま判決支持を表明。「民主主義国家スペインには政治犯はいないが、民主主義の法を犯した政治家は法で裁かれる」とツイートした。
だが重過ぎる実刑判決は、くすぶっていた独立派の怒りに火を付けた。バルセロナの混乱はすぐには収まりそうにない。
<本誌2019年10月29日号掲載>
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