最新記事

環境活動家

「13歳の妹がいじめにあう」トゥーンベリが明かした家族の苦難

Greta Thunberg's 13 year-old Sister Suffers Bullying and Harassment

2019年10月16日(水)18時40分
ジェームズ・ウォーカー

ニューヨークの国連本部前で地球温暖化に抗議する集会に参加するトゥーンベリ(8月30日)Jeenah Moon-REUTERS

<国連演説で注目を集めたスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリ。嫌がらせは家族にも及んでいた>

16歳の環境活動家グレタ・トゥーンベリは、自分が有名になり、気候変動のための学校ストライキ運動を率いていることで、妹がいじめられていることを明らかにした。

スウェーデンの全国紙ダーゲンス・ニュヘテルのインタビューによれば、トゥーンベリの13歳の妹や他の家族は脅迫を受けていた。すべて警察に通報されている。

トゥーンベリはまた、妹は嫌がらせのせいで「いつも落ち込んでいる」と言い、支持者に向けて、妹を支えてほしい、それが自分に対する最大の支援になると訴えた。

「辛い思いをしているのは、私の妹。彼女は13歳で、組織的ないじめ、脅迫、嫌がらせを受けている」と、トゥーンベリは同紙に語った。

「私に脅迫と憎悪の言葉を送りつけてくる人々は、家族や妹にまで同じことをする。私はいつも旅に出ていていないけれど、家族は家にいる」

トゥーンベリはまた、自分は人々から支援を提供されることが多いが、妹は「まったく支援を受けていない」と言う。どんな支援がありうるかと尋ねられて、彼女はこう答えた。「現時点で私を助ける最善の方法は妹を支えてくれること。私の妹だからではなく、彼女自身が素晴らしい、強い人間だから」

グレタ・トゥーンベリのフォロワーたち


街頭で脅迫されたことはないけれど

トゥーンベリはこれまで、街で通りすがりの人から否定的なことを言われたことはなかったが、気候変動ストライキ運動の最初の数日間は、自分に向かって怒声をあげた人が何人かいたという。

グレタをインタビューし、長い時を共に過ごしたダーゲンス・ニュヘテルの記者アレクサンドラ・ウルシマン・オットーは、トゥーンベリと妹の両方がいじめの標的にされてきたことを知って「とても腹立たしい」と言う。

「そういうことがあるとは知っていたけれど、だからといって平気でいられるわけじゃない。これほどひどいとは思わなかった」と、オットーは本誌に語った。

トゥーンベリがアメリカや他の場所で活動している間にいじめを受けるのを見たことがあるかという質問に対して、オットーはこう答えた。「インタビューでトゥーンベリは、街頭で脅しのような行為を受けたことがないと言っていた。これは、より大きな観点から興味深い」

「私たちはアメリカのさまざまな場所をトゥーンベリと一緒に歩いた。4つの州を旅して、田舎にも都市にも行った。どこに行っても人々は近づいてきて『こんにちは、私はあなたについていきます、あなたを支援します』と言ってくれた」

しかしオットーは、オンラインでトゥーンベリに寄せられるコメントの一部は「まったく違う」と言う。

<参考記事>ヘイトに立ち向かったK-POPアイドル、ソルリ追悼写真集
<参考記事>グレタ・トゥーンベリの人形を吊るしたのは誰か

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

新型ミサイルのウクライナ攻撃、西側への警告とロシア

ワールド

独新財務相、財政規律改革は「緩やかで的絞ったものに

ワールド

米共和党の州知事、州投資機関に中国資産の早期売却命

ビジネス

米、ロシアのガスプロムバンクに新たな制裁 サハリン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでいない」の証言...「不都合な真実」見てしまった軍人の運命
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 6
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 9
    巨大隕石の衝突が「生命を進化」させた? 地球史初期…
  • 10
    バカげた閣僚人事にも「トランプの賢さ」が見える...…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 5
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 8
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 9
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 10
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中