韓国で長引く日本製品不買運動、韓国企業への影響が徐々に明らかに
日本企業への影響は一部を除き限定的......
日本製品の不買運動で韓国企業と韓国従業員が被害を受ける一方、日本企業への影響は、九州などの一部の観光業を除くと限定的とも言えそうだ。8月の訪日韓国人が前年比48%減少したが、訪日観光客全体で見ると2.2%減になる。日本の韓国向け輸出は主に材料や部品で、不買運動の対象になっている消費財は6%に過ぎないという事情もある。
日本の財務省が発表した8月の貿易統計では、8月の日本の韓国向け輸出が前年比9.4%減となった。韓国のマスコミは不買の影響を示唆するが、徐々に進行していた半導体不況もある。文政権の誕生以降、空洞化が加速し、半導体等の製造が落ち込んでいるのだ。すでに2019年上期の段階で、日本の対韓輸出は、自動車が増加したものの、半導体、半導体製造装置などが減少し、前年比13.3%減だった(JETRO)。
また、日本の素材メーカーにグループA(ホワイト国)除外で今後の輸入に不安をもつ韓国企業から在庫を積み増したいという'特需'要請が寄せられている。
日本製品の代替品開発を後押ししたい文政権だが、韓国企業は複数の企業から輸入した素材で部品を作り、製品に使用する。1つの素材を代替しても組合せたときに期待通りの性能を発揮するか不安があり、韓国企業は日本からの輸入を継続したい考えもあるという。
私の周辺でも、日本人が経営する日本料理店は出前が好調と聞く。利用客の減少に店に出入りする姿を見られたくない背景があるが、注文品を外から窺えない出前は人目を気にせず楽しむことができるということもあるのだろう。
2019年9月20日、サムスンのトップ、李在鎔サムスン電子副会長が日本を訪問した。名目はラグビーW杯日本大会開会式への出席だが、日本とのパートナーシップを内外にアピールする目的と見られている。硬直的な双方の政府の解決を待つ前に、民間で自ら対応しようということだろう。