中国本土も香港も、もう台湾人にとって安全ではない
海峡交流基金会は昨年8月、中国側の窓口である海峡両岸関係協会に蔡の安否確認への協力を求めたが、返答を得ていない。中国政府は今年の李孟居の身柄拘束もすぐには明かさなかった。李明哲の妻は、湖南省で服役中の夫との面会手続きを変更されたり取り消されたりしているという。2017年3月に拘束されて以降、李の健康は悪化して体重は30キロ減ったとのことだ。
中台関係は、9月に太平洋の島国のソロモン諸島とキリバスが相次いで台湾と断交して中国と国交を樹立すると発表し、緊張が高まった。中国政府は来年の台湾総統選で蔡英文(ツァイ・インウェン)が再選されたら、台湾は外交関係を維持している全ての国と関係を失うことになると警告した。
台湾側は、中国が総統選と議会選に影響を及ぼすために外交問題を持ち出したと非難する。中国は今後も選挙をにらみつつ、国際社会で台湾の居場所を狭めることに力を入れそうだ。
From thediplomat.com
<本誌2019年10月1日号掲載>
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