韓国のインスタントラーメン消費は世界一、その日本との関わりは?
辛ラーメンを製造する「農心」は、創業者の辛春浩氏がロッテ重光武雄会長の実弟で、日本の市場動向を追った製品を数多く手掛ける食品メーカーである。
三養ラーメンは1963年に発売された韓国第1号のインスタントラーメンだ。朝鮮戦争後の食糧難が続いていた頃、創業者の全仲潤氏がコメの代わりに手軽に食べられる食品として発案。国民の窮乏を救いたいという同氏の願いに「明星食品」の当時の奥井清澄社長が共鳴し、技術を無償で供与した。当初は日本と同じレシピだったが、韓国人の嗜好に合わせて手を加えられている。
三養食品は「プルダク焼きそば」シリーズが国内外で2825億ウォン(約266億円)を売上げ、初の海外拠点として日本に現地法人を設立した。2018年の総輸出額2000億ウォンに対して日本は36億ウォンにとどまっている。
長らくシェアを2分してきた「辛ラーメン」と「三養ラーメン」だが、「八道」が3位に浮上した。韓国ヤクルトのラーメンブランドで、2011年に発売した白いスープでありながら赤いスープと同じ辛さの「コッコ麺」がブームになり、一気にシェアを拡大した。ビビン麺などを日本に「逆輸出」するほか、ロシアでの販売を伸ばしている。
ノンフライ麺市場も増加する?
インスタントラーメン大国の韓国だが、2013年に2兆ウォンに達したあと停滞が続き、各社は打開策を求めて日本市場の動向を注視する。
まず仕掛けたのは農心で、辛ラーメンブランドにカロリーを抑えたノンフライ麺を投入した。ノンフライ麺は従来の即席麺と比べて味も食感も劣ると考える消費者が多く。これまで敬遠されてきたが、健康を重視する層への訴求を期待する。
日本では2011年の即席麺市場で5%に過ぎなかったノンフライ麺が、2014年には25%に拡大しており、韓国も似たパターンで推移すると見ているのだ。
2015年に629億ウォンだったノンフライ麺市場が2018年には1178億ウォンまで広がっており、2019年は1400億ウォンに成長すると業界は期待している。