「テーザー銃をください」英警察組織が内相に直談判
テーザー銃使用での死亡例は過去に18件
ただし、2017年に本サイトで伝えたように、英国の警察官が丸腰なのには伝統や歴史だけでない、地元住民との関係を良いものに保ちたいという意図もある。そのため、今回のテーザー銃携帯の動きに対しては、地元住民との信頼関係を損なうことを危惧する声も上がっているとインディペンデントは伝えている。
また他にも、テーザー銃の使用が死亡などを含む事故につながる恐れもあるために懸念を抱く向きもあるようだ。英国のアムネスティ・インターナショナルの統計によると、英国で警官のテーザー銃発砲により死亡したケースはこれまで18件ある。また、インディペンデントによると今年2月には、ウェールズで警官がテーザー銃を奪われ、自分のテーザー銃で胸を撃たれた事件もあった。あからさまにテーザー銃を携帯している警官は、攻撃される可能性が高いという研究もある。
英国内務省が昨年12月に発表した警察の統計によると、2017〜2018年に警官がテーザー銃を使用したケースは1万7100件で、それまでの年間1万件前後から急増している。このほとんどが、銃の使用により容疑者逮捕につながったという。統計ではまた、警官がテーザー銃を使用した際、85%は発砲せずに済んだとしている。