中国政府に「脱香港」の動き? 深圳を「香港以上」に育てる長期計画
このままいけば香港と深圳の経済的な力関係が変わるのは時間の問題だろう。
一般には政治と経済は別物と考えられているが、中国のような一党独裁の国家では、いや応なく不可分の関係にある。中国政府の経済政策は共産党の政治的目標や正統性の維持、そして体制の存続と切っても切れない関係にある。
もちろん、香港の未来に影響を及ぼす開発計画の提示だけが、今の香港の政治的混乱への処方箋ではない。最近の各種報道によれば、中国政府が軍隊を動かす可能性もあるし、ソーシャルメディアを使った情報操作も盛んに行われているようだ。準軍事組織である武装警察は香港との境界線に程近い深圳市内で暴動鎮圧の訓練を繰り返し、民主化を求める香港市民に警告を送っている。
だが当座の危機に対処する戦術的な役割はともかく、深圳をはじめとする珠江デルタ諸都市の壮大な再開発計画は、国力増強に突き進む中国政府の長期戦略において香港がどう位置付けられるかを見極める上で、大きな意味を持つ。
From thediplomat.com
<本誌2019年9月3日号掲載>
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