日韓、香港、米中......あなたも世界の動きと無縁ではない。トランプの嘘とも
トランプの不適切な演説のせいで、ボーイスカウトが謝罪⁉
なぜ、この6人なのか。パックンは説明する。
紹介するメンバーをどうやって選んだかは気になるはず。世の中に山ほど存在する危険人物の中からなぜこの6人を「抜擢」したのか。
(中略)
それは、この不名誉な殿堂入りを果たすには、指導者の「性格」だけでなく、経済規模や軍事力などの「国力」、その国における本人の「権力」、そして地政学的な「日本への影響」もそろわないといけないからだ。
方程式に直すとこうなる。
性格の危険性 × 国力 × 本人の権力 × 日本への影響 = 危険度
適当な審査基準に思われるかもしれないが、本当は合理的かつ科学的に見せ掛けた適当な審査基準だ。でも少なくとも、これで安倍晋三さんも入っていることを説明できる。実際にそこまで危険じゃなくても、日本への影響は絶対的。あと、入れないとつまらないでしょ。
この方程式による「危険度」で最高点を記録したのは、トランプ(危険度は4860)。パックンいわく、「キング・オブ・危険人物」である。
ロシアの米大統領選介入とトランプの司法妨害――いわゆる「ロシア疑惑」「ロシアゲート」――については日本でも多く報じられてきたが、複雑過ぎてもう何がなんだか分からないし、結局どうなったんだっけ、という人が多いかもしれない。
ロシア疑惑を含むトランプの危険性について、パックンは「キング・オブ・危険人物のいいところを紹介しよう」という記事で、こんなふうに痛烈に解説している。
(ロバート・ムラー特別検察官の)2巻の448ページにわたる超大作の報告書によれば、起訴されたのは37人。有罪判決を食らったり、罪状を認めたりしたトランプの側近は5人。押収された資産は約27億円。
しかも、これらは一部にすぎず、捜査自体はまだ進行中! 報告書の最後に継続する裁判が列挙されているが、その数は黒塗りされた12も含めて14にも上る。全く終わっていない。当然だ。ラスボスがまだ残っているから。
ムラー捜査から視野を広げると、脱税、収賄、詐欺、慈善団体基金の不正使用、国家機密漏洩、選挙法違反、性的暴行、偽証教唆、銀行詐欺、マネーロンダリング(資金洗浄)、外国政府からの報酬授受など違法行為の疑惑だけでも枚挙にいとまがない。
さらに規範破り、常識破り、不道徳な言動を足すと、とんでもない件数に。主賓である大統領の不適切な演説のせいで、イベント主催のボーイスカウトが謝罪したことってある?
ここから、身体障害者や子供、少数派にも「優しい」――などと、皮肉たっぷりにトランプの「いいところ」を紹介していくパックン。この記事1本だけで、トランプについてもアメリカ政治についても十分な基礎知識(と、友人知人に語るときに使える小ネタ)を得られるだろう。
こんな「人物」が始めたのが、日本も大きな影響を被ってきた米中貿易戦争なのだ。パックンはこうも言う――「記録的な大嘘つき」のトランプだから、TPP(環太平洋経済連携協定)やイラン核合意などと「日米安保条約も同じ扱いにならない保証はある?」。
あなたはもう、自分には関係ないから知る必要はない、なんて言えないだろう。
【関連記事】「日本のお笑いって変なの?」をパックンが外国人3人と激論しました
【関連記事】日本人は「政治に興味ない」「専門的に生きている」──外国人のお笑い座談会より
【関連記事】ウーマン村本×パックン「原発や基地をやるきっかけは堀潤さん」
【関連記事】ウーマン村本×パックン「カウンターパンチは全部ありだと思う」
【関連記事】「日本にも政治風刺はある、強かったのは太平洋戦争のとき」早坂隆×パックン
【関連記事】「下ネタは世界共通。男たちは同じオチで、同じ顔で笑う」早坂隆×パックン
※8月13&20日号(8月6日発売)は、「パックンのお笑い国際情勢入門」特集。お笑い芸人の政治的発言が問題視される日本。なぜダメなのか、不健全じゃないのか。ハーバード大卒のお笑い芸人、パックンがお笑い文化をマジメに研究! 日本人が知らなかった政治の見方をお届けします。目からウロコ、鼻からミルクの「危険人物図鑑」や、在日外国人4人による「世界のお笑い研究」座談会も。どうぞお楽しみください。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら