最新記事
ブレグジット英ジョンソン首相、内閣不信任案めぐり議会を牽制「不信任可決されても総選挙はEU離脱後」
英国のジョンソン首相は8日、英議会は欧州連合(EU)離脱が賛成多数で決まった2016年の国民投票の結果を尊重する必要があるとの考えを示した。オックスフォードシャーで代表撮影(2019年 ロイター)
英国のジョンソン首相は8日、英議会は欧州連合(EU)離脱が賛成多数で決まった2016年の国民投票の結果を尊重する必要があるとの考えを示した。
ジョンソン氏はEUと条件などで合意できてもできなくても10月31日に離脱する立場を堅持しており、合意なき離脱の回避を主張する議員との対立が今後先鋭化する可能性がある。こうした中、ジョンソン氏は議会で内閣不信任案が可決された場合でも確実にEUを離脱するよう、辞任を離脱後に延期するとの報道も出ている。
ジョンソン首相は、内閣不信任案が可決された場合は辞任を受け入れるかとの記者団の質問に対し、「議会はEUを離脱するとの国民の意思を尊重する必要がある。議会は(離脱手続き開始に向け)EU基本条約(リスボン条約)50条の発動を決定した時点ですでに国民の意思を尊重していた」と述べた。
これに先立ち、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は首相側近の話として、ジョンソン首相は議会が内閣不信任案を可決した場合、EU離脱の数日後に総選挙を実施すると述べたと報じていた。
ジョンソン氏は、EU離脱前に解散総選挙を実施する可能性を問われ、有権者は16年の国民投票の結果を政治家が実行に移すことを望んでいると回答。政府はEUと鋭意交渉しており、離脱協定案に含まれるアイルランド国境管理を巡る「バックストップ(安全策)」条項が変更できれば、「良好なディールが得られる」と述べた。
その上で、政府は合意なき離脱にも備えるとしながらも、EUの「常識と良識」を踏まえると、合意なき離脱の確率は100万分の1程度に過ぎないと指摘。「EUが柔軟に対応する可能性はいくらでもある。時間もまだ残されており、EUは柔軟に対応すると確信している」と述べた。
※8月13&20日号(8月6日発売)は、「パックンのお笑い国際情勢入門」特集。お笑い芸人の政治的発言が問題視される日本。なぜダメなのか、不健全じゃないのか。ハーバード大卒のお笑い芸人、パックンがお笑い文化をマジメに研究! 日本人が知らなかった政治の見方をお届けします。目からウロコ、鼻からミルクの「危険人物図鑑」や、在日外国人4人による「世界のお笑い研究」座談会も。どうぞお楽しみください。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら