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欧州極右イタリア次期首相の有力候補を襲った「ロシア疑惑」
親ロシアの姿勢を隠そうとしないサルビニ AP/AFLO
<イタリア極右政党にロシアがオイルマネーの違法提供疑惑、それでも党首は人気の維持に自信>
次期首相の有力候補を「ロシア疑惑」が直撃した。渦中の人物は、マッテオ・サルビニ。イタリアの極右政党「同盟」の党首で、現在の連立政権で副首相と内相を兼務している人物だ。
ニュースサイトの「バズフィード」が、サルビニの側近とロシア側関係者の会話の音声を入手した。その中では、ロシアのオイルマネーを違法に「同盟」に提供することが話し合われていた(サルビニは疑惑を否定)。
会談は、18年10月にモスクワで行われた。同じ時期にサルビニはモスクワでプーチン大統領と面会している。サルビニは親ロシアの姿勢を隠さず、ロシアとの関係強化を目指してきた。
筋金入りのナショナリストであるサルビニは、反移民の主張を前面に押し出して支持を伸ばし、首相候補に躍り出ていた。
「(今回の疑惑で)人気が下がるとは思えない」と、英バーミンガム大学のイタリア政治専門家ダニエレ・アルベルタッツィは言う。「イタリア人にはほかにもたくさん関心事があるし、これがフェイクニュースだという主張を信じる人も多い。現時点では確実な証拠もない」
アルベルタッツィによれば、来春までにサルビニ政権が誕生する可能性は十分にある。
<本誌2019年7月23日号掲載>
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