最新記事

ネット

2019年上半期グーグル人気検索キーワード発表 韓国で今年一番ググられたのは?

2019年7月14日(日)14時20分
杉本あずみ(映画配給コーディネーター)

また、2019年は韓国映画100周年という韓国映画界にとって記念となる年だ。それにふさわしく上半期の総合映画観客動員数は1億833万名(CGVリサーチセンター調べ)と、韓国映画史上最高の数字を記録した。また、すでに1000万人突破映画として『アベンジャーズ/エンドゲーム』と『極限職業』の2本が出ており、現在公開中のカンヌ映画祭受賞作品『パラサイト』が985万人、『アラジン』が938万人と、もうひと息で1000万突破を目指している。さらに下半期にはディズニーの『ライオンキング』や『アナと雪の女王2』などが公開を控えていることから、1000万人突破映画はまだまだたくさん登場しそうである。

ネットフリックスなどのネット配信サービスで映画を見る人が増えているなか、韓国人はやはり映画館で皆で観るのを好むようである。口コミを信頼し、人と気持ちを共有することが好きな韓国人の特徴からも、映画館は生活の一部なのだろう。

■関連記事:ネット時代に生き残りかける映画館 料金細分化の韓国と格安定額制のアメリカ

2018年の年間ランキングは?


2018年に韓国で一番検索されたPCゲーム『LOST ARK』 로스트아크 / YouTube

ちなみに2018年のグーグル検索年間総合トップ10を見ると、6位に今年日本でも公開された映画『神と共に』がランクインしていた。3位にはケーブルテレビtvNのドラマ『キム秘書はいったい、なぜ」、4位は日本でも発売されている人気ウェブ漫画『外見至上主義」がランクイン。そして1位はなんと『LOST ARK」というパソコン用オンラインゲームだった。これは7年間100億円をかけて開発されたロールプレイングゲームで、昨年11月からの公開ベータテスト開始時には同時接続ユーザーが25万人を記録。この7月には日本でのサービス開始が発表された。2018年に世界的に注目を集めた「平昌オリンピック」や「ワールドカップ」などのビッグイベントを抑えて堂々の1位というのには驚かされる。韓国ではエンターテインメント分野が根強い人気をもち、人びとに検索されているのだ。

一方、日本の2018年検索結果ベスト10を見てみると、「ワールドカップ」「オリンピック」がやはり1、2位を占めた。「台風」「大阪地震」「北海道地震」など災害関連が3つもランクインしたのは日本的だ。エンターテインメント分野でいえば「大杉漣」「吉澤ひとみ」などの芸能人は入っているものの、映画やドラマのタイトルなどは1本も入っていない。カンヌ映画祭で最高賞を受賞し話題となった『万引き家族」ですらトップ10にランクインしていなかった。ちなみに、今年同じく最高賞を受賞した韓国映画『パラサイト」は韓国内の検索数上半期の発表で10位。カンヌ映画祭が5月に行われ、このグーグルからの発表が6月だったため、年末発表の総合検索数ではもう少し検索数が伸びているかもしれない。

検索ランキングは人びとの関心がよく反映される時代の鏡だ。今年もこれからまだ半年残っているが、年末に発表される2019年の検索総合結果ベスト10が明るい話題で占められることを望んでいる。

20250121issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年1月21日号(1月15日発売)は「トランプ新政権ガイド」特集。1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響を読む


※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国尹大統領に逮捕状発付、現職初 支持者らが裁判所

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 8
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 9
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 10
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中