最新記事

ビジネス

コンテナボックスで世界中の村に電力と水を届けたい

Powering Up Remote Communities

2019年6月15日(土)11時40分
ジュリアナ・ピニャタロ

コンテナボックス1個で2000人のニーズを満たせるという Courtesy of Offgridbox

<太陽光パネルと浄水装置を搭載したコンテナを僻地の村に設置する新興企業の挑戦>

世界には、今も電気と清潔な水のない土地で暮らしている人たちが大勢いる。新興企業のオフグリッドボックスは、そうした不便な土地に安価な電力と飲み水を届けたいと考えた。そのために選んだ手段は......1辺約1.8メートルのコンテナボックスだった。本誌ジュリアナ・ピニャタロが同社のトロイ・ビレット取締役に話を聞いた。

***


――事業について教えてほしい。

世界中に安価なエネルギーと安全な飲み水を届けたい。今日の世界には、これらを切実に必要としている人がまだ10億人近くいる。この2つをセットにして提供することで大きな成果を上げられると思っている。

――オフグリッドボックスは、そこでどんな役割を果たすのか。

1辺約1.8メートルのコンテナに、太陽光発電パネルと浄水装置を取り付けて村の中心に設置する。コンテナ1個で2000人のニーズを満たせる。

――達成したい最大の目標は?

自宅で安全な飲み水と電力を利用できない人たちが、5分くらい歩けば18セントほどの料金で照明や携帯電話用のバッテリーを充電したり、清潔な飲み水を受け取ったりできるようにしたい。この程度の金額なら、1日当たりの所得が2ドルに満たない人たちも利用できる。

――コンテナの設置場所は、どうやって選ぶのか。

まずそれぞれの地域のことを調べて、何が必要かを把握する。調べもせずに現地のニーズを決め付けたりはしない。電力と安全な飲み水が必要とされていると分かれば、そこにコンテナを送る。設置作業には3時間くらいしかかからない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国テンセント、第1四半期は予想上回る6%増収 広

ワールド

ロシア大統領府人事、プーチン氏側近パトルシェフ氏を

ビジネス

米4月卸売物価、前月比+0.5%で予想以上に加速 

ビジネス

米関税引き上げ、中国が強い不満表明 「断固とした措
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 3

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    年金だけに頼ると貧困ライン未満の生活に...進む少子…

  • 6

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プー…

  • 7

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    「人の臓器を揚げて食らう」人肉食受刑者らによる最…

  • 10

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 10

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中