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自動車FCA、ルノーへの統合提案取り下げ ルノー筆頭株主の仏政府は国内雇用喪失を懸念
6月5日、欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は、仏ルノーに対する統合提案を取り下げると発表した。写真は両社のロゴ。仏ニースで3日撮影(2019年 ロイター/Eric Gaillard)
欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は5日、仏ルノーに対する統合提案を取り下げると発表した。
ルノー取締役会に近い関係筋によると、FCAは、フランス政府がルノーの連合パートナーである日産自動車の支持を得るために統合に関する決定延期を求めたことを受けて提案の撤回を決めたという。
仏政府の当局者らは、統合案を支持するよう日産に求めていた。日産はこれまでに慎重に見極めたい意向を示している。
協議に詳しい関係筋によると、仏政府はまた、FCAとルノーに対し、統合がフランス国内の雇用喪失につながらないことや、同政府を含めたルノーの株主への配当支払いを保証するよう求めていた。
FCAは、声明で「フランスではこのような統合がうまく進む政治情勢ではないことが明確になった」と説明した。
ルノーも個別に声明を発表。「仏政府代表から投票を延期するよう求められたため、(取締役会は)決定することができなかった」と説明した。
両社は統合により年間約50億ユーロ(56億ドル)のコスト削減効果を見込んでいた。
技術や規制環境の大きな変化に伴うコストに対応するため両社が今後どのような手段に出るのかは明らかでない。
FCAはこれまでに仏PSAグループとも協議しているが、結論には達していない。PSAもフランス政府を株主に持つ。
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