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大卒資格はコストに見合うか? 米国をむしばむ学費ローン

2019年5月21日(火)18時50分

自動化とグローバリゼーション

ブランダイス大学のデバルシ・ナンディ准教授によると、ローンを組んだ卒業生と組まなかった卒業生を比較すると、ローンを返済する必要がある人たちは投資をする率が低い、もしくは積極的に投資をしなくなるという。理由は収入を返済に回す必要があるからだ。

ローンを使って高い学位を取得したほうが、最終的には収入が高くなるという研究もあるが、ナンディ准教授は「収入があっても、(投資は)キャリアの早い段階でとん挫する」と反論した。

しかし、借金をしてでも大学に進学しなければ、事態はさらに悪化するかもしれない。自動化とグローバリゼーションの波が押し寄せる中、スキルや学歴が相対的に低い労働者の賃金と雇用率は下がり続けている。安定した職を保持するには、準学士号以上の学位がこれまで以上に必要不可欠になりそうだ。

学費の手当てをいかに容易にするかよりも、学費自体を見直すべきとするルーズベルト・インスティテュートの研究者、ジュリー・モーガン氏は、「大学に行く資金的な余裕がない。しかし、行かないという余裕もない」と語った。

(翻訳:宗えりか、編集:久保信博)

[ワシントン 9日 ロイター]


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