最新記事

米朝関係

北朝鮮のミサイル発射直後、アメリカはICBMを発射していた

U.S. and North Korea Launch Missiles at Same Time

2019年5月10日(金)18時00分
トム・オコナー

9日の北朝鮮の発射実験の直後、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領はドナルド・トランプ米大統領と電話で協議し、北朝鮮問題に関して「緊密に連携」することで合意した。トランプと文は、朝鮮戦争以来続いてきた北朝鮮との緊張関係の緩和を昨年から主導してきた。

文は9日夜に公営放送KBSに出演し、北朝鮮の発射実験について「このような行為が続けば、対話が難しくなり得ると北朝鮮に警告したい」と述べた。昨年以降、北朝鮮との非核化交渉が続く中で、このような厳しい発言が文から出たのは初めてのことだ。

またトランプも抑制した表現で非難した。「(ICBMではなく)もっと小さい、短距離ミサイルだ。誰も幸せではないが、今後の事態を注視する」と、記者団に語った。「米朝関係は今後も継続する。しかし今後の推移を見守りたい。北朝鮮は交渉を継続したがっているが、その準備が北朝鮮はできていない」。

今年2月にベトナム・ハノイで開催された第2回米朝首脳会談が決裂した後、米朝間のコミュニケーションは冷え切っている。米国防総省の捕虜・行方不明者調査局は8日、ハノイ会談以来、北朝鮮当局者からの連絡が途絶えていることを明らかにした。

前述のウェイマンは、「米軍はICBM発射実験を『世界のできごとや地域情勢の緊張』とは関係のなく『単発』で実施したように言うが、実際には事前のスケジュールに縛られる必要はないはずだ。過去には9月21日の国際平和デーや2018年の平昌オリンピック期間中に予定していた発射実験を延期したことがある」と指摘している。

20190514cover-200.jpg
※5月14日号(5月8日発売)は「日本の皇室 世界の王室」特集。民主主義国の君主として伝統を守りつつ、時代の変化にも柔軟に対応する皇室と王室の新たな役割とは何か――。世界各国の王室を図解で解説し、カネ事情や在位期間のランキングも掲載。日本の皇室からイギリス、ブータン、オランダ、デンマーク王室の最新事情まで、21世紀の君主論を特集しました。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中