最新記事

日韓関係

韓国でも話題に 政治に関心が薄い10代〜20代が第3次韓流ブームを牽引

2019年5月30日(木)14時30分
佐々木和義

韓国食ブームを牽引する10代から20代

韓国ドラマやK-POPは下火になったが、近年、韓国グルメが浮上した。定番とされていた焼肉やキムチなどではなく、韓国で人気が出はじめた料理がリアルタイムで広がりはじめたのだ。

鶏肉と野菜を甘辛い味つけで炒めてチーズをトッピングしたチーズタッカルビなど新しいメニューが人気となり、韓国料理店が集まる新大久保など、多くの日本人で賑わうようになる。韓流ブームが終わって下落していた新大久保の家賃も上昇の兆しを見せている。

韓国食ブームを牽引しているのは、主に10代から20代の若い世代である。数年前まで中国人が占領していたソウルの繁華街・明洞は日本人で溢れかえり、日本のテレビや雑誌で紹介された飲食店など、韓国人客より日本人客の方が多い店すらある。

第1次韓流ブームは、30代以上の女性が牽引した。韓国は日本で流行した後、15年から20年遅れてブームになるコンテンツが少なくない。第1次韓流ブームの15年前の日本はバブルの真っ只中で、多くのアイドルがテレビに登場した時代でもある。スターがいない'アイドル冬の時代'を経て、冬のソナタが放映されるとバブル期に学生時代を過ごした女性が飛びついた。K-POPが登場するとスター性のあるアイドルを求める世代が韓流ドラマからK-POPに移行する。

日本と韓国の往来は1000万人を突破

第1次・第2次韓流ブームを牽引したのは30代以上で、政治に関心が高い世代でもあり、ブームは政治情勢に作用される。一方、新たな韓流ファンは、第1次韓流ブームを牽引した祖母・母親世代の影響を受けながら成長した世代で、政治への関心が薄い世代でもある。

強制徴用を巡る判決や日韓合意に基づく和解・癒やし財団の解散、レーダー照射問題など政治的な対立が続くなか、日本と韓国の往来は1000万人を突破した。政治的な葛藤と文化交流は別の問題と捉える日本人が増えていることが往来増加と第3次韓流ブームの背景にあるが、日本バッシング一辺倒だった韓国マスコミが、日本叩きを抑制するようになった論調の変化もプラスに作用しているかもしれない。


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

韓国尹大統領に逮捕状発付、現職初 支持者らが裁判所

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 8
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 9
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 10
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中