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中国

「一帯一路 国際シンクタンク」結成を提唱:「新国連」を立ち上げる勢い

2019年4月27日(土)22時41分
遠藤誉(筑波大学名誉教授、理学博士)

その戦略はこのたび、「一帯一路 国際シンクタンク協力委員会」構築によって姿を現したのである。

アメリカはこれを「シャープパワー」と称している

2017年11月、アメリカのシンクタンク「全米民主主義基金」(NED=National Endowment for Democracy)は論文を発表して、中国のこの力を「シャープパワー」と名付けた。以来、トランプ大統領は激しく中国の「洗脳活動」を警戒するようになった。ハイテク国家戦略「中国製造2025」においてだけでなく、精神面でも中国が世界覇権の手段として、コミンテルン並みの洗脳を実行し、アメリカをはじめとした世界各国に潜り込んで政権与党のキーパーソンを籠絡させていく。

軍事力を使うのを「ハードパワー」とすれば、舞踏や演劇、中国語学習などの「文化」の衣を着て中国共産党の広報活動を展開するのが「ソフトパワー」だ。それなら「孔子学院」はどうなのか。これは「文化」の領域を超えて、確実に「スパイ活動」に近い学術交流を通して「鋭く」相手国の中枢に斬り込んでいく。「ナイフのような鋭さ」を持っているため、「シャープ」という言葉を選んだようだが、2018年2月20日付けのコラム<孔子学院が遂にFBI捜査の対象に>に書いたように、アメリカでは早速FBI(米連邦捜査局)が孔子学院をスパイ活動やプロパガンダ活動などの容疑で捜査し始めている。

しかし、日本は――?

孔子学院を野放しにしているだけでなく、昨日のコラム<中国に懐柔された二階幹事長――「一帯一路」に呑みこまれる日本>に書いたように、まるで「絵に描いたように」、「みごとに!」そして「きれいに!」、日本はまんまと中国の術中にはまっているのである。

全米民主主義基金の論文では、「軍事力や経済力」を含めて「ハードパワー」と区別して「シャープパワー」を定義しているが、そこは少し違うのではないかと思う。

その全ての基軸に流れているのは「経済力」ではないだろうか。

中国政府系メディアが一斉に二階幹事長の単独インタビューを報道

4月25日、中国政府の通信社である新華社は、電子版「新華網」は、政権与党である自民党の二階幹事長の単独インタビュー記事を大きく載せた。二階氏が如何に早くから「一帯一路」に強い関心を払い、また「一帯一路」構想が如何にすばらしいかを絶賛する記事だ。

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