最新記事

米大統領戦

米大統領選、バイデン出馬で身構えるトランプ

Michael Steele: Trump Is 'Concerned' About Joe Biden

2019年4月26日(金)16時30分
ジェイソン・レモン

Brian Snyder-REUTERS

<米大統領選に遂に名乗り出たのは民主党の重鎮で最有力候補のバイデン前副大統領。20人の民主党候補のうちただ一人、トランプも脅威に感じている>

オバマ政権で副大統領を務めたジョー・バイデンが4月25日(米国時間)、2020年大統領選挙への出馬を目指すべく、民主党候補者指名争いに立候補することを正式に表明した。元共和党全国委員会(RNC)委員長で現在は政治評論家であるマイケル・スティールは、ドナルド・トランプ大統領はバイデンについて、すでに「懸念を覚えている」と述べている。

スティールは4月25日朝、MSNBCに出演し、バイデンの立候補表明について見方を語った。スティールは、トランプはバイデンを最も手ごわい相手と考えているはずだと述べたうえで、「(バイデンに対して)汚いツイートをたくさん出してくるだろう」と警告した。また、トランプが25日朝にバイデンに向けて投稿したツイートに触れ、「トランプが不安に感じている証拠だ」と語った。
「すでに立候補している民主党の19人の候補者たちの顔ぶれを見る限り、ジョー(バイデン)は最も準備が整っている。低俗な方法を使う必要なく、落ち着いた洗練されたやり方でトランプのあとを追えると私は見ている」

バイデンが立候補を表明したキャンペーンビデオ。白人至上主義を容認するトランプを批判した


<関連記事>バイデンの人知れぬ善行がネットで拡散、感激するアメリカ人



「女性に触り過ぎ」「強引なキスをされた」などと非難されるスキャンダルもあった


<関連記事>バイデン前副大統領「髪にキス」で窮地に

トランプも特別な対応

トランプは、バイデンが立候補するとすぐにツイートで反応した。そのことが、トランプが直面している状況をよく物語っていると、スティールは言う。「民主党の指名を争うほかのあまたの候補とジョー・バイデンを比べると、トランプの対応が違う」
  
トランプは25日朝、バイデンの立候補表明を受けて次のようにツイートした。「選挙戦にようこそ、スリーピー・ジョー(寝ぼけまなこのジョー)。君が予備選をうまく戦い抜くための知性を持っていることを祈るばかりだ――前々から怪しんでいたことなのだが。ひどい戦いになるだろう。君が相手にするのは、吐き気を催すようなとんでもなく狂った考えを持つ人間たちだからだ。君が勝利をおさめたあかつきには、出走ゲートで会おう!」

トランプはまた、現RNC委員長ロナ・マクダニエルが、バイデンと前大統領バラク・オバマが政権についていたときの経済実績を批判した内容のツイートをリツイートしている。

マクダニエルはこうツイートしていた。「ジョー・バイデンが記録を見たいと思ったときのために書いておこう。オバマとバイデンの8年間で、製造業の雇用者数は19万3000人も減った。トランプは2年あまりで、製造業で45万3000人の雇用を創出した。バイデンにアメリカを後退させてはならない!」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲うウクライナの猛攻シーン 「ATACMSを使用」と情報筋
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさ…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 8
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中