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ウクライナ大統領選

ウクライナの喜劇俳優とプーチン、笑うのはどっちだ?

Who’s Laughing Now: Zelensky or Putin?

2019年4月23日(火)18時20分
ジャスティン・リンチ

だが、汚職と戦うゼレンスキーのイメージは、すぐに脅かされることになるかもしれない。ウクライナ最大手の金融機関PrivatBankの所有者だった新興財閥イホール・コロモイスキーは、ゼレンスキーのメインの支援者とみられている。だが、PrivatBankは2016年、詐欺容疑で国有化されている。先週、ウクライナの裁判所は国有化は無効としたが、この法廷闘争はこれからも続く。そこからどんな醜聞が飛び出すかわからない。

それでも、平和的なトップ交代が実現したことは民主化へ向けて好ましい一歩だと言う意見もある。故ジョン・マケイン米上院議員の外交顧問を務めた米共和党国際研究所のダニエル・トワイニング所長によれば、2013年、ウクライナの民衆がロシア派のビクトル・ヤヌコビッチ大統領を引きずり下ろしたことを、マケインは非常に喜んでいた。

「マケインは今回の選挙についても、政治も金も握った現職大統領を平和的に失脚させるのは、旧ソ連では極めて稀有なことだと言っただろう」と、トワイニングは言う。

(翻訳:森美歩)

From Foreign Policy Magazine

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