最新記事

米政府債務

国土を売って借金を返そう(モンタナ編)

Is Montana Worth Selling to Canada for $1 Trillion? Thousands of People Think So

2019年2月21日(木)15時30分
スコット・マクドナルド

モンタナ州は、カナダの一部になったほうが逆に幸せ? michal812/iStock

<広大だが「役立たず」のモンタナ州なら売ってもいい? 住民も喜んでいるようだ>

米連邦政府の公的債務残高が2月12日までに初めて22兆ドルを突破したことを受けて、新手の債務削減案が話題になっている──米北西部のカナダ国境にあるモンタナ州を1兆ドルでカナダに売ろう、というのだ。

署名サイト「Change.org(チェンジ・ドット・オルグ)」にあるその呼びかけには、「アメリカは多額の借金を抱えており、モンタナ州はどうせ役立たずだから」とある。「ビーバーがたくさんいます、とでも売り込めばいい」。

賛同者は2月19日夜までに1万人を超え、目標を1万5000人に引き上げた。

モンタナ州は全米50州のなかで4番目に大きい州。日本より少し大きく、テキサスやカリフォルニアよりは小さい。人口はわずか100万人だが、肥沃な土地がいくらでもある。

賛同者のほとんどは州外のアメリカ人だろうという大方の予想に反し、このモンタナ売却キャンペーンに署名しているユーザーの多くはモンタナ州民。カナダに売ってもらえるなら歓迎だと、彼らは言う。

「ほとんどの州民は歓迎よ。こんなひどい国とはおさらばしたい」

「引っ越し費用がなければカナダへの移住を希望。私たちを引き取って」

また別の州民は、「自分も売却に賛成!カナダになれば医療費が安くなるし、国家指導者もバカじゃない」とコメントした。

ただし、モンタナ州民は自分たちが「役立たず」とは思っていない。

モンタナ州はカナダ南部と接しているので生息する野生動物も似ているし、酪農が盛んなところはカナダ経済にもぴったりフィットするだろう。

いい合併案ではないだろうか?

(翻訳:河原里香)

※2019年2月26日号(2月19日発売)は「沖縄ラプソディ/Okinawan Rhapsody」特集。基地をめぐる県民投票を前に、この島に生きる人たちの息遣いとささやきに耳をすませる――。ノンフィクションライターの石戸諭氏が15ページの長編ルポを寄稿。沖縄で聴こえてきたのは、自由で多層な狂詩曲だった。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲うウクライナの猛攻シーン 「ATACMSを使用」と情報筋
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさ…
  • 9
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    大麻は脳にどのような影響を及ぼすのか...? 高濃度の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中