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観光大国を目指せ──サウジアラビアの熱き挑戦

The Other Magic Kingdom

2019年2月13日(水)16時15分
アダム・バロン (ヨーロッパ外交評議会客員フェロー)

もちろん、この国を訪れる外国人の中には政治への懸念を拭い切れない人もいるだろう。RCUが国外でのサウジのイメージアップを図りたい意向を頻繁に表明しているのは、一部の政策が国内外で同国のイメージダウンにつながってきたことの表れだ。

それでも、アルウラ一帯が今の政治的混乱を忘れ、数千年の歴史に思いをはせることのできる場所であるのは確かだ。

サウジ政府の観光振興策の成否は、その視点の変化を魅力的に感じさせられるかどうか次第だ。スペインのイビサ島やエジプトのシャルムエルシェイクに代わる世界一、紅海一の人気リゾートの座を狙っているわけではないだろう。それでもサウジ観光業界はようやく観光地図の仲間入りを果たしたのだ。

From Foreign Policy Magazine

<本誌2019年02月12日号掲載>

※2019年2月12日号(2月5日発売)は「袋小路の英国:EU離脱3つのシナリオ」特集。なぜもめている? 結局どうなる? 分かりにくさばかりが増すブレグジットを超解説。暗雲漂うブレグジットの3つのシナリオとは? 焦点となっている「バックストップ」とは何か。交渉の行く末はどうなるのか。

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