予想外に複雑な日中韓の三角関係──韓国は日本より中国に傾く
A TRIANGULAR AFFAIR
米中の地政学的対立が悪化するなか、日本をアメリカから引き離すのは不可能だろう。これに対して韓国は、経済的に中国市場に大きく依存していることに加えて、北朝鮮との統一を図る上でも中国の支持が欠かせない。このため韓国は日本よりも、中国の意向に屈する可能性がはるかに高い。
日中韓の三角関係で最も重要なのは、3カ国の中で最も弱いプレーヤーである韓国が、残りの2カ国のうち、より強いプレーヤーとの関係を強化しなければならないことだ。そして歴史的な関係と、朝鮮半島統一に中国が事実上の「拒否権」を持っている事実を考えると、韓国は日本よりも中国に傾く可能性が極めて高い。
とはいえ、中国にとって韓国と恒久的な戦略的友好関係を構築・維持するのは容易ではないだろう。韓国も北朝鮮も民族意識が強く、朝鮮半島で中国が優位に立つことを許さない。それどころか、実のところ北朝鮮は、おそらく東アジアで最も反中意識の強い国の1つだ。また、中国の立場が過度に優位になれば、アメリカが介入して三角関係のバランスを変えようとする可能性も十分ある
それだけに、現時点では日中韓の三角関係を取り巻く環境は、中国に有利に働いているが、それがいつまで続くかは誰にも分からない。
<本誌2019年01月29日号掲載>
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