吉兆か凶兆か? 平成が終わる新年の日本で「しぶんぎ座流星群」を撮影
夜明け前に集中して出現
やがて若者グループなど3組が同じ駐車場にやってきた。手元の温度計はマイナス12度。風も出ていた。冬山登山に近い格好はしていたものの、外に立って夜空を眺められるのは連続15分くらいが限度だ。三脚にカメラを固定して、連続して30秒露光するようにセットし、定期的に車に入って暖を撮りながら夜明けまで観測・撮影を続けた。
写真は、広角レンズで蓼科山と白樺湖を下の方に入れた構図に固定。そのフレームに収まる範囲の夜空を中心に眺めた。最初の流星が見えたのは観測を初めて30分ほど経った頃。カメラのセッティングを確認したり、スマートフォンで情報を確認しながら、大半は車の窓越しの素人観測だったため、かなりの数を見逃したはずだが、午前2時〜6時の4時間で、大小20個ほどを目視した。
写真に写っていたのは、15個。そのうち3個、2個と1枚に同時に写っていたのが2枚(30秒の露光時間の間に出現)。肉眼ではほんの一瞬、写真ではパソコンの画面いっぱいに拡大しないと確認しにくいようなものがほとんどだったが、終盤の5時41分35秒のカットに写ったものは、ひときわ明るくて大きく、美しかった。「火球」と呼んでいいクラスだったと思う。
3個同時に写っていたカットは、5時25分3秒。これに17分先立つ火球のカットとの間には、計3個が写っていた。午前6時には空が白み始めたが、やはり極大に近い夜明け直前の時間帯に集中して流れたのだろう。掲載した写真は、3個同時カットと火球カットの2枚を重ねて合成したものだ。
好条件の流星群出現と共に明けた日本の2019年。古今東西、流れ星を吉兆と捉える文化もあれば、凶兆と見る文化もある。今年の「しぶんぎ座流星群」は、来る日本の新時代にとっては、どちらだったのだろうか。
<参考>国立天文台