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ブレグジット英議会、メイ首相のブレグジット再交渉方針を支持 EU側は拒否の姿勢
英議会は、EU離脱に関する複数の修正案を採決し、アイルランドとの国境問題に関するバックストップ(安全策)を代替措置に置き換えることを求める案を賛成多数で可決した。写真はメイ首相。ロンドンで撮影。提供写真(2019年 ロイターUK Parliament/Jessica Taylor/Handout via REUTER)
英議会は29日、欧州連合(EU)離脱に関する複数の修正案を採決し、アイルランドとの国境問題に関するバックストップ(安全策)を代替措置に置き換えることを求める案を賛成多数で可決した。EUとの再交渉を目指すメイ首相の方針を支持した格好となった。
同案は与党保守党の有力議員であるグラハム・ブレイディ氏が提出したもので、賛成317票に対し、反対は301票だった。英領北アイルランドとアイルランドの間で厳格な国境管理を復活させないためのバックストップを「代替的な取り決め」に置き換えるという内容で、この修正が行われれば議会はメイ首相の離脱案を支持するとしている。具体策は盛り込まれていない。
ただ、採決の直後にトゥスクEU大統領は報道官を通じて、バックストップは離脱協定案の一部で、再交渉の余地はないと述べた。離脱協定案は英国を除くEU27加盟国によって既に承認されている。
それでもなお、メイ首相はEUとの再交渉で「法的拘束力のある修正」を求める考えを示した。「今夜は過半数の議員がバックストップに修正が加えられた離脱案を支持する考えを示した」とした上で「合意を伴うEU離脱に下院の圧倒的多数の支持を取り付ける道筋が存在することが明らかになった」と強調した。英議会は2週間前にメイ首相とEUが合意した離脱協定案を大差で否決している。
英議会でこの日採決が行われたほかの修正案では、メイ首相が来月までに議会で離脱案の承認を得られない場合、議会に合意を伴わない離脱を阻止する権限を与える内容の2つの案が否決された。
ただ、その後、「合意なき離脱の拒否」を盛り込んだスペルマン議員の修正案は賛成318、反対310の賛成多数で可決した。3月29日の離脱日が迫るなか、合意なき離脱に反対するという議会の総意を示す内容だが、政府に合意なき離脱阻止を強いるものではなく、阻止の方法も盛り込まれていないため、実質的な効果はない象徴的な案となっている。
ポンドは、合意なき離脱回避に向けた複数の修正案が議会で否決されたことを受けて対米ドルで約0.7%下落した。
野党労働党のコービン党首は、「国全体にとって意義のある妥当な解決策を見いだす」ためにメイ氏と協議すると語った。
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