最新記事

事故

ブラジルダム決壊、死者58人に なお行方不明の300人の大半も死亡か

2019年1月28日(月)13時37分

ブラジル南東部ブルマジニョで鉄鉱石会社ヴァーレが所有する鉱山のダムが決壊した事故で、ミナスジェライス州当局者は、死者が58人になったと明らかにした(2019年 ロイター/Adriano Machado)

ブラジル南東部ブルマジニョで鉄鉱石会社ヴァーレが所有する鉱山のダムが決壊した事故で、ミナスジェライス州当局者は27日、死者が58人になったと明らかにした。

死者の数はさらに増える可能性があるとしている。

当局者は行方不明者の捜索を続けているが事故発生から2日がたち生存者の発見は困難になりつつある。

別の当局者によると300人近くが行方不明となっており、大半は死亡したとみられている。

ダム決壊の原因はいまだ判明していない。ダムの検査を最近実施したドイツの企業は、検査で問題は見つからなかったと明らかにしている。

決壊事故では鉱山施設やダムの近くに建つ家屋が泥流に襲われた。ブルマジニョ町長はヴァーレが「不注意で無能」だったと批判し、同社に1億レアル(2650万ドル)の罰金を科す考えを示した。

ヴァーレのファビオ・シュアルツマン最高経営責任者(CEO)は27日、テレビのインタビューで、同社が専門家の助言に従っていたにもかかわらず事故は起きたと説明。

「われわれは全ての基準を100%クリアしていたが、防げなかった」と述べ、再発防止に向けさらなる安全対策を講じるとした。

同社の取締役会は計画していた配当支払いと自社株買い、幹部へのボーナス支給を停止した。証券当局への届け出で明らかになった。さらに、ダム決壊の原因を調査し、救助活動を見届けるために独立委員会を設置した。

ブラジル政府はヴァーレに対し、コヘーゴ・ド・フェイジョンと呼ばれる同鉱山複合施設の操業を停止するよう命じた。裁判所は27日、ダム決壊事故による賠償に備え、新たに同社資産の凍結を命じ、資産凍結額は110億レアルに達した。

ニューズウィーク日本版 独占取材カンボジア国際詐欺
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月29日号(4月22日発売)は「独占取材 カンボジア国際詐欺」特集。タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

欧州、ウクライナ停戦交渉で「譲れぬ一線」を米に伝達

ビジネス

トランプ米政権、薬価引き下げで国際価格参照制度を検

ワールド

貧困国への融資能力拡大を要請、シンクタンクなどが世

ワールド

インド・カシミール地方で武装勢力が観光客に発砲、2
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 2
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 3
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負かした」の真意
  • 4
    パウエルFRB議長解任までやったとしてもトランプの「…
  • 5
    アメリカは「極悪非道の泥棒国家」と大炎上...トラン…
  • 6
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 7
    日本の人口減少「衝撃の実態」...データは何を語る?
  • 8
    なぜ世界中の人が「日本アニメ」にハマるのか?...鬼…
  • 9
    コロナ「武漢研究所説」強調する米政府の新サイト立…
  • 10
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 5
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 6
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 7
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 8
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 9
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 10
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中