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事故ブラジルダム決壊、死者58人に なお行方不明の300人の大半も死亡か
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ブラジル南東部ブルマジニョで鉄鉱石会社ヴァーレが所有する鉱山のダムが決壊した事故で、ミナスジェライス州当局者は、死者が58人になったと明らかにした(2019年 ロイター/Adriano Machado)
ブラジル南東部ブルマジニョで鉄鉱石会社ヴァーレが所有する鉱山のダムが決壊した事故で、ミナスジェライス州当局者は27日、死者が58人になったと明らかにした。
死者の数はさらに増える可能性があるとしている。
当局者は行方不明者の捜索を続けているが事故発生から2日がたち生存者の発見は困難になりつつある。
別の当局者によると300人近くが行方不明となっており、大半は死亡したとみられている。
ダム決壊の原因はいまだ判明していない。ダムの検査を最近実施したドイツの企業は、検査で問題は見つからなかったと明らかにしている。
決壊事故では鉱山施設やダムの近くに建つ家屋が泥流に襲われた。ブルマジニョ町長はヴァーレが「不注意で無能」だったと批判し、同社に1億レアル(2650万ドル)の罰金を科す考えを示した。
ヴァーレのファビオ・シュアルツマン最高経営責任者(CEO)は27日、テレビのインタビューで、同社が専門家の助言に従っていたにもかかわらず事故は起きたと説明。
「われわれは全ての基準を100%クリアしていたが、防げなかった」と述べ、再発防止に向けさらなる安全対策を講じるとした。
同社の取締役会は計画していた配当支払いと自社株買い、幹部へのボーナス支給を停止した。証券当局への届け出で明らかになった。さらに、ダム決壊の原因を調査し、救助活動を見届けるために独立委員会を設置した。
ブラジル政府はヴァーレに対し、コヘーゴ・ド・フェイジョンと呼ばれる同鉱山複合施設の操業を停止するよう命じた。裁判所は27日、ダム決壊事故による賠償に備え、新たに同社資産の凍結を命じ、資産凍結額は110億レアルに達した。
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