イギリスの貧困世帯には、健康な食も人間関係も届かない
Hungry and Lonely
慈善団体フードサイクルの代表メアリー・マクグラスによれば、同団体の食事配給を受ける人の71%が常時、あるいは時々孤独を感じているとの調査結果が出たという。貧しくても社会的な付き合いの場がある人々のほうが健康な生活ができ、深刻な病気からの回復率も高いことは、数々の研究で明らかになっている。
イギリス各地でさまざまな慈善団体が貧困層に集いの場を提供する支援を行っているが、その際に使う手段は食事だ。そうすることで人々に健康的な食事を提供するだけでなく、社会的なつながりも提供できる。
余剰食品を貧困層に割引価格で販売する社会的企業コミュニティーショップのゲイリー・ストット代表は、「食べ物は、個人の心や体の状態と深く関わっている」と言う。「だが食べ物の何よりの長所は、人と人とを結び付け、会話を生み、価値ある人間関係を築かせることだ」
食料砂漠では、健康な食べ物と同じように、人との交流も贅沢品らしい。
<本誌2018年12月04日号掲載>
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