中国の世界制覇を阻止するために日本がやるべきこと――Huawei事件を巡って
疑問1:任正非が「国家安全部」で働いていた、と書いているが、国家安全部が誕生したのは1983年。任正非が解放軍をリストラされたのも1983年。解雇された後、まるで島流しのように深センにある南海石油後方勤務サービス基地に配属された。したがって、任正非が「国家安全部で任務に就いていた」というのは成立しない。南海石油ではさまざまな問題も起こしているので、調べればすぐに分る。
疑問2:中国人民解放軍から資金が流れていたと書いてあるが、トウ小平があまりの軍資金難から100万人もの解放軍のリストラを断行したのは1985年のことである。リストラされて収入の道を断たれた「元兵隊崩れ」たちは路頭に迷い、解雇された者同士が周りから借金などして掻き集めたお金が2万1000元。日本円で30万程度だ。当時は何百万社という小企業が、雨後の竹の子のように生まれては消えていった。こんな明日をも知れぬ小さな会社に「軍が投資する」などということがあり得るだろうか。特に軍資金がなくて軍が困っている時期だ。電子通信の知識もなく、ただ香港の会社が生産するPBX(電話の構内交換機)を代理販売する極貧企業に資金を投入する意義もゆとりも軍にはなかっただろう。特に土木建築が専門だった任正非にはセールス能力はあっても、軍事技術開発をする能力はない。
疑問3:中国は1992年に軍が付設の企業を持つことも軍資金を他社に出すことも禁止した。なかなか徹底はしなかったが、習近平政権に入ってからは、軍が商売をすると金儲けによって強大化するのを恐れたために、非常に厳しく取り締まり始めた。逆に2015年に「軍民融合」を唱えることによって解放軍の設備調達担当は、民間企業に公けに入札を呼びかけるようになった。そのウェブサイトを示す。
日本の自衛隊でも、たとえば洗面台を自衛隊で製造したりなどしないで、TOTOなどの業者から購入し、エアコンなども自衛隊内で製造しないで、日本の某業者から購入するのと同じである。入札させてから落札させるのは、普通のことだ。
中国人民解放軍の入札に応募するのは、毎回3000社ほどあるので、その中に華為(Huawei)が入っているときがあっても不思議ではない。
日本人の耳目に心地よく響くような虚偽の情報を流して印象操作をすることが、やがてどれだけ罪深い結果を国家にもたらすか、熟慮すべきだろう。
中国を叩くなら証拠を出して徹底的に!
中国を叩くなら証拠を出して徹底的に叩かなければならない。中途半端な追い込みは中国を強化させるだけだということを、冒頭に書いた戦後の歴史が証明している。