中国人投資家、今度はギリシャ不動産「爆買い」に走るワケ
しかし借り手にしてみれば、中国人が主導するギリシャ住宅市場への関心は、良いニュースばかりではない。
「貸すために買う」という多くのバイヤー心理は賃料を押し上げ、賃借人が値上げに同意しなければ、立ち退きを強いられることもあり得ると、ギリシャの借家人組合を率いるアンゲロス・スキアダス氏は指摘する。
米不動産ネットワーク「RE/MAXインターナショナル」に加盟するギリシャのフランチャイズ店の調査によると、ギリシャの賃料は9月までの1年間で前年比8.4%上昇した。
「昨年から、この問題は悪夢になりつつある」とスキアダス氏。「大家から脅されて賃借人は出て行くことを余儀なくされ、新たに物件を探している人は法外な賃料に直面している」
組合は最低賃貸借期間を現行の3年から6年に延ばすようギリシャ政府に働きかける計画だと、スキアダス氏は語った。
2013年にゴールデン・ビザ制度が開始されてから、3404件の滞在許可が下りており、そのうち約1700件は中国人に対してだったと、ギリシャ投資・貿易センターのデータは示している。
世界の不動産を扱う中国サイト「Juwai.com(居外)」のキャリー・ロウ最高経営責任者(CEO)は、今年の第1・四半期にギリシャに関する問い合わせが倍増し、第2・四半期はさらに3倍に増えたと話す。「劇的な増え方だ」と同CEOは語った。
(翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
[アテネ 29日 ロイター]