メキシコ国境には米軍だけじゃない、移民嫌いの米民兵組織もやってくる
Troops Preparing for Armed Militias at Border
ミニットマン・プロジェクト
移民キャラバンが国境に到着するまでまだ数百キロ距離があり、今後どれくらいの民兵が集まるかは不透明だ。そんななか、国境警備に協力の意思を表明した組織の1つが、不法移民の取り締まりを目的とした「ミニットマン・プロジェクト」だ。
歴史的に「ミニットマン」と言えば、米独立戦争中にイギリスに対抗するために結成された民兵組織のこと。だが今日のミニットマン・プロジェクトは、2004年8月にジム・ギルクリストとクリス・シムコックスが設立した自称「南部国境の自警団」を指す。
ミニットマンの国家政治部長を務めるホーウィー・モルガンは10月31日、移民キャラバンを国境で待ち構えるメンバーには完全装備をしてもらう、と本誌に語った。
「市民権取得の手順を定めた法の受け入れを拒む外国人によって、アメリカが攻撃されている」とモルガンは言った。
アメリカが長年維持してきた法的手続きに従い、国境検問所などの合法的な入国地点に到着した亡命希望者についてもそうか、と尋ねると、中米出身者は「自国で」申請すべきだと彼は言った。
「彼らはアメリカの法律を悪用して、列の前方に横入りしている」
だが米市民権・移民局によれば、強制退去手続き中でない亡命希望者がアメリカで難民認定を受けるには、申請者は「アメリカにいなければならない」とある。しかも難民申請者はいかなる方法で入国しようと、その時点での在留資格が何であろうと、申請できる権利がある。
ミニットマン・プロジェクトは10月29日、男女を問わずメンバーに行動を呼びかけた。「メキシコとの国境に直ちに集結し、現場ですでに待機している治安当局と米軍部隊を支援しよう」
「今後90日間、カリフォルニア州サンディエゴからテキサス州ブラウンズビルに至る3218キロの国境地帯に、あなたがいることが必要だ」と、同プロジェクトはホームページで声明を発表した。
今後数週間で何人のメンバーが国境地帯に集まるか分からない、とモルガンは言った。「数千人規模」が望ましいが、すでに米政府が南部国境の警備を強化していることから、その可能性は低いかもしれないと言う。