【対談】米INF条約破棄、日本にはデメリットよりメリットが大きい!?
米軍が中国への対抗としてミサイルを配備する地点について、グアムやフィリピン、日本本土よりも、距離的に日本の沖縄や南西諸島が軍事上合理的と、村野氏は言う。一方で2人は、INF相当のミサイルでなくとも、代替する戦力オプションはいくらでもあると疑問を提示した。
そうした判断を行うアメリカの戦略家は必ずしも日本の政治状況に明るくない。今の沖縄の情勢を考えれば、政治コストはあまりに高いという点で2人は一致。何よりもトランプ大統領の性急な決定が米同盟国に与える不安と不信感という問題があらわとなった。最後はINF条約をめぐる米ロの今後の交渉の展開なども予測した。
対談の途中、「だいぶマニアックな話になった」と笑い合う場面もあるなど、2人は意気投合。米ロの軍事・政策当局者に通じた両者の議論は、「世界の火薬庫」特集でも論じた「戦争リスク」を見るうえで欠かせない材料となるはずだ。
※11月13日号(11月6日売り)は「戦争リスクで読む国際情勢 世界7大火薬庫」特集。サラエボの銃弾、真珠湾のゼロ戦――世界戦争はいつも突然訪れる。「次の震源地」から読む、日本人が知るべき国際情勢の深層とは。