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英EU離脱ブレグジット交渉の焦点、アイルランド国境問題でEUが譲歩案提示か
フィナンシャル・タイムズ(FT)は1日、ブレグジット(英国の欧州連合離脱)交渉で焦点となっているアイルランド国境問題で、欧州連合(EU)側が譲歩案を提示したと報じた。写真はアイルランド国境近くを走るギネスのトラック。REUTERS/Clodagh Kilcoyne
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は1日、ブレグジット(英国の欧州連合離脱)交渉で焦点となっているアイルランド国境問題で、欧州連合(EU)側が譲歩案を提示したと報じた。
英領北アイルランドとEU加盟国アイルランドの間のハードボーダー(厳格な国境管理)を回避すると同時に、北アイルランドと英本土の間の関税検査回避について英国により確かな保証を与える内容という。
EUの交渉担当者は、ハードボーダーを回避するため英国本土をEU関税同盟に残す計画を離脱協定に盛り込むことを提案した。EUは将来の通商関係を巡る約束を離脱協定に盛り込むことを拒否してきたことから、EUにとっては「レッドライン(越えられない一線)」を越えた格好だ。
FTによると、EU側の交渉担当者は、期限までに将来の通商関係が定まらない場合にアイルランド国境の関税審査復活を回避する安全策(バックストップ)について、新たな譲歩案を検討している。
ただ、交渉担当者から今週説明を受けたEU外交筋は、EU側の提案は10月時点から大きくは変わっていないとの見方を示した。
FTによると、EU側が検討している案では、北アイルランドはEUの関税同盟にとどまり、EUの関税規則を完全に適用するほか、モノや農産物・食品に関する単一市場の規制に従う。同時に英国としては関税を巡りEUと「最小限」の枠組みを採用し、EU以外からの輸入にEUと共通の対外関税率や原産地規則を適用する。
この案は10月31日にEU外交官に説明が行われ、英国側に提示されたという。
FTによると英交渉チームはこの案を検討する用意があるか来週にも見解を示す見通しで、EUが11月に臨時首脳会議を開くかどうか判断する上で英国の回答が鍵となる。
EUとの関税同盟に無期限で縛られたくないメイ政権や与党・保守党内の離脱推進派は譲歩案に反対する可能性が高い。
FTによると、EUの案には英国が10月に拒否した項目の多くが依然含まれている。
FTは譲歩案について説明を受けたEU外交官の発言として、「これまでと同じ根本的な問題が残っている」と伝えた。
ただ、報道を受けてポンドは対ドルと対ユーロで上昇した。
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