臨時国会、日米通商交渉・入管法改正案など与野党対決色強まる
さらに安倍首相が強い意欲を示す憲法改正に向けた衆参両院の憲法審査会の動きも、臨時国会における大きなポイントだ。
自民党は憲法9条への自衛隊明記を柱とする党の改憲条文案を憲法審に提示し、議論を進めたい考え。野党側は改憲の是非を問う国民投票でのテレビCM規制を優先すべきとし、自民党案の議論を拒む方針だ。
<予算委で日米通商交渉の論戦も>
さらに予算委員会では、来年1月からスタートする日米通商交渉も議論の対象となる可能性がある。9月の日米首脳会談後、安倍首相はじめ日本政府側は、農産物の大幅な関税引き下げにつながる自由貿易協定(FTA)ではないと説明した。
だが、米側はFTAと説明したうえで、環太平洋連携協定(TPP)以上の優遇措置を獲得する意欲を鮮明にしている。与党内でも交渉を担当する「茂木敏充経済再生相の答弁が注目される」(幹部)との声が上がっている。
こうした与野党対決ムードをさらに強める要因が浮上した。国民民主党の長浜博行参院議員が離党し、衆参両院で立憲民主党が野党第1党となり、衆院だけでなく、参院でも与党に対決する野党の主張が強まる見通しだ。立憲の蓮舫副代表は23日の会合で、野党の連携強化に意欲を示した。
臨時国会は24日から12月10日までの48日間。安倍首相の外交日程が立て込む中で、野党側の抵抗が強まれば、重要法案の審議が与党の想定通りに進まず、会期延長が与党内で議論される展開も予想される。
自民党の二階俊博幹事長は18日、記者団に対し「足りないときには、また考える」と述べ、会期延長に含みを持たせている。
新閣僚の答弁次第では、大荒れになる可能性もあり、臨時国会は冒頭から目を離せない展開になりそうだ。
(竹本能文 編集:田巻一彦)
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