ブレグジット支持の英保守党員に高まる不満 メイ首相への反旗広まる
ブレグジット後
全国的な世論調査では、保守党と野党・労働党の支持率は拮抗(きっこう)している。一方で、スカイ・データが8月発表した調査によると、保守党支持の有権者の59%がブレグジット交渉におけるメイ首相の仕事ぶりに満足していない。
メイ首相の後任として挙がっている1人に、ジョンソン前外相がいる。ジョンソン氏はチェッカーズ案がまとまった後に外相を辞任し、積極的に同案に反対する活動を行っている。
一般の保守党員の多くにとって、2016年のEU離脱キャンペーンで主導的役割を担い、ユーモアと一般人の感覚を持ち合わせたジョンソン氏は理想の後任として映る。
南西部サマセットの地方議員であるジョン・ソーン氏は、メイ首相の退陣を望み、ジョンソン氏を支持している。
「ボリス(・ジョンソン氏)は人々に愛されている。パブで一緒に1杯やれるような男だ」と同氏は語った。「彼ならブレグジットをやり遂げられるという自信がある。彼は一般大衆の言葉を話す」
ロイターが取材した党員の圧倒的多数は、たとえメイ首相が3月までにブレグジットを成し遂げることができたとしても、彼女に未来はほとんどないと考えていた。
デービッド・キャメロン、ジョン・メージャー、マーガレット・サッチャーという歴代保守党政権の指導者も、欧州での英国の役割に手を焼いた。
現在、サッチャー元首相を懐かしむ人もいる。ビーコンズフィールドのバーベキューに参加したグラスさんもその1人だ。
「メイ首相がもう少しマギー(サッチャー氏の愛称)のようだったら、EUに乗り込んでこっぴどくやっつけたのに」と、グラスさんはソーセージが焼ける煙が立ち上る中、傘の中でにこやかに振る舞いながらこう述べた。
(翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)
[ビーコンズフィールド 5日 ロイター]
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