最新記事

ブレグジット

どうなるイギリスEU離脱? 議会承認までの重要イベントまとめ

2018年8月8日(水)15時40分

8月7日、メイ英首相がEU離脱交渉に合意し、内部で意見が割れている与党・保守党に合意案支持を訴え、議会で承認を得るまでに残された期間は8カ月を切った。写真は英国旗とEU旗。ブリュッセルで7月撮影(2018年 ロイター/Francois Lenoir)

メイ英首相が欧州連合(EU)離脱交渉に合意し、内部で意見が割れている与党・保守党に合意案支持を訴え、議会で承認を得るまでに残された期間は8カ月を切った。

来年3月のブレグジット(EU離脱)期限までに予定される重要イベントの日程は次の通り。

英議会再開 9月4─13日

英議会が夏休みを終えて審議を再開する。保守党は、メイ氏が示した最新のブレグジット計画が2016年の国民投票に向けた運動に行った約束に違反していると主張する一部党員の声を傾聴することになるだろう。

メイ政権は、ブレグジット前に移民問題から漁業政策までありとあらゆる関連法案を可決しなければならない。前会期では、保守党内のブレグジット推進派と親EU派双方から一部に造反者が出て、7月の貿易・関税に関する法案の採決はかろうじて可決にこぎ着けた。

EU首脳会議 9月20日

メイ氏はオーストリアで開かれるEUの非公式首脳会議でブレグジット問題を話し合う。この夏、加盟各国に閣僚を派遣して自身の計画を説明した成果があるかどうか、そして合意が可能になるかどうかを判断する手掛かりが得られそうだ。

労働党大会 9月23─26日

最有力野党の労働党は、ブレグジットの形によっては一定の役割を果たす可能性がある。メイ氏が保守党内で十分な支持を得られなければ、労働党のコービン党首にブレグジット計画の議会可決で協力を要請してもおかしくない。

コービン氏のチームは、メイ氏の計画は労働党が設定した好ましいブレグジットの要件を満たしていないと話している。ただ労働党も内部の足並みはそろっておらず、この大会で親EU派が指導部に態度を和らげるよう迫る可能性がある。

保守党大会 9月30─10月3日

保守党大会は白熱した雰囲気になるケースがしばしば見られる。昨年は、メイ氏が演説の途中で声が出なくなる失態を演じ、会場に闖入した男性から「離職証明書」を手渡されるハプニングにも見舞われ、収拾がつかなくなった。

今年はメイ氏の政敵たちが一般党員に自らをアピールする機会として利用することで、ブレグジット計画を巡って緊迫した状況になる公算が大きい。

メイ氏は、10月に目指すEUとの合意内容がどうなろうと支持してほしいと強く訴えかけるだろう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米加首脳が電話会談、トランプ氏「生産的」 カーニー

ワールド

ウクライナ、過去の米軍事支援を「ローン」と見なさず

ビジネス

独連銀総裁「過度の楽観禁物」、ECBインフレ目標回

ビジネス

年内2回利下げが妥当、企業の関税対応見極めへ=米S
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジェールからも追放される中国人
  • 3
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中国・河南省で見つかった「異常な」埋葬文化
  • 4
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 5
    なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分か…
  • 6
    アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと…
  • 7
    不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりにベルゴ…
  • 8
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 9
    最悪失明...目の健康を脅かす「2型糖尿病」が若い世…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 6
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 7
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 8
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 9
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中