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18歳人口激減時代に、生き残れる大学の条件とは

2018年8月15日(水)13時00分
舞田敏彦(教育社会学者)

大学関係者は震え上がる数字だが、世間の目は厳しい。7月末に文科省は、経営難の私大には募集停止や法人解散の指導をするという通知を出した。高等教育の無償化が、経営努力を怠っている大学や教育機関として機能していない大学を救済することになってはならない、という声も強い。

入試難易度の低い私大には、こうした大学が少なくない。「奨学金が支えるFランク」「ATMのあるパチンコ屋のようなもの」という揶揄もあるが(「奨学金が支える『Fランク』の葛藤と不安」東洋経済オンライン、2016年4月26日)、あながち的外れとも言えない。偏差値が低い私大ほど学生の奨学金利用率が高く、卒業後の返済延滞率も高い<表2>。

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より長期にわたって追跡すれば、延滞率はもっと高いものと推測される。奨学金という借金を負い、卒業後それが返せなくて人生が破綻する。そのような状態に若者を追い込んでいるとしたら、存在意義が問われる。世間の目が厳しくなるのも致し方ないだろう。

難度の低い私大が淘汰されるだろうことは、<表1>の単純なシミュレーションからも明らかだが、これは18歳人口の変化だけを根拠にした予測だ。大学の顧客は若者だけではなく、学び直しを欲する社会人や、今後増加する外国人が高等教育を受ける場として機能してもいいはず。

キャンパスに多様な学生が溢れかえるのが、未来形の大学の姿。その変化に対応できず、やせ細る18歳人口を奪い合うことに躍起になる大学は淘汰されるしかない。

<資料:国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口』(2017年推計)
    文科省『学校基本調査』
    日本学生支援機構「学校毎の貸与及び返還に関する情報」

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